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科学な本のご紹介:  ミニ特集:日本人の死の民俗学の本

科学に佇む書斎
【2013/07/22】




『死者のゆくえ』 佐藤弘夫 岩田書院

●日本列島において、死がどのように取り扱われてきたか。何があたりまえで、何が特異だったのか。
 基本を見ておこう。

科学の本”平安時代半ばぐらいまでは、天皇家や貴族・高僧などごく限られた一部の人々を除いて、墓が営まれることはなかった。庶民の死体は特定の葬地に運ばれ、簡単な葬送儀礼の後、そのまま放置され犬やカラスのついばむままにされた”

科学の本”遺骨に対して全く関心を払うことなく、遺骸を放置して顧みなかった古代の人々。火葬骨を大切に霊場まで運んだ中世の人々。墓を造って骨を納め、定期的に墓参を繰り返した近世以降の人々。遺影を部屋に飾る現代人。”




『死者の結婚 祖先崇拝とシャーマニズム』
 櫻井義秀 北大文学研究科ライブラリ 北海道大学出版会

●独身で死んだら死後結婚。
 日本の東北で近年ブームになった事例を中心に、アジアやアフリカの「冥婚」習俗を鋭意比較。
 読みごこちは論文っぽさの残る紀行文みたいなおももちで、気負わぬ素直さがある。

科学の本沖縄のグソー(後生)・ヌ・二ービチ(結婚)は、離婚した妻の遺骨を元の夫の遺骨の甕に並べて葬り直すという特殊な葬法である。女性は先祖になれない、女性は夫と同じ骨甕に入るべきとユタが語る観念は、娘しかいない家族や離婚女性には様々な葛藤を引き起こす規範である。

科学の本中国・韓国・台湾・シンガポール・香港などの祖先崇拝と宗族の親族構造が密接に連関している社会においては、冥婚は死者供養の儀礼遂行に留まらない。亡くなった子供に養子を迎えることで、死者は結婚し子をもうけたもの、つまり祖先となる資格を得る。遺族は慰霊と立嗣(りっし=跡継ぎを立てること)を同時になすのだが、これは日本では見られない習俗である。

科学の本東アジア以外ではアフリカにも、死霊と生きている人が結婚するゴースト・マリッジ(亡霊婚)がある。

科学の本跡取りの地位を確保できないか、自ら竃を持ち初代とならないで亡くなったものは先祖になれない運命にある。未婚で亡くなった霊たちは年忌供養ではなく結婚を求めるのだ。

科学の本巫俗が冥婚習俗を生み出したわけではない。未婚の死者が問題になるのは、誰もが結婚するような時代になって、結婚が平均的日本人に必須の人生儀礼と観念されるようになったからだ。




『間引きと水子 子育てのフォークロア』
 千葉徳爾、大津忠男 農山漁村文化協会

●温故知新&濃い中身でおすすめ。
 今でも民俗研究で参照される重要な調査資料がベースにある。
 わずか数世代前の我々が「生死」をどのように考えていたのか、そしてその影が今の我々にどう染み付いているのか、見ておくのにたいへん有用な一冊。

こちらで紹介
→●本『間引きと水子 子育てのフォークロア』

 → ミニ特集:櫻井さん系の本で宗教のあり方を考える
 →『ミニ特集:宗教と現代がわかる本』
 →『ミニ特集:日本人の死の民俗学』

 



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