このサイトの中を      2018年拝読ベスト本   2017年拝読ベスト本  

科学な本のご紹介:  調査研究書『高齢者の犯罪心理学』

科学に佇む書斎



高齢者の犯罪心理学 📖 
けっこうお硬い内容の、研究現状総括本です。
表紙の肖像は中世西欧の画家デューラーによる「93歳の老人の頭部の習作」。

科学の本新岡陽光・越智啓太 ”【高齢者の暴力犯罪】飲酒していないで激情・憤怒から暴力事案に至っているケ一スも半数以上あるのが特徴である(非高齢の傷害・暴力事案では飲酒ありのケ一スが65%を占めるのに、高齢者の場合、47%である)。”

科学の本新岡陽光・越智啓太 ”高齢者の暴力犯罪の特徴としては、近隣トラブルが多いという点がある。これは退職し、生活の基盤が自宅周辺になり、人間関係が地域社会中心になり、そのなかでトラブルを抱えてしまうことが原因と思われる。”

科学の本桐生正幸 ”高齢者の犯罪者率の増加が最も著しくなっていることに注目しなければならない。つまり、高齢者の人口増加以上に高齢者の犯罪が増加しておりその増加率は他のどの年齢層よりも高くなっていることが指摘されている。なお、アメリカの高齢者では犯罪が増加していない。”

科学の本萩野谷俊平 ”【窃盗犯の検挙人員に占める万引きの割合】20歳未満に40%程度であった万引きの割合は、20代で15%近く減少し、50代以降では年齢の上昇とともに増加する領向が見られる(警察庁2017)。”

科学の本大上渉 ”高齢累犯受刑者(再犯を繰り返す者)は出所後の引き受け先がなく(つまり、社会的に孤立している)、IQ相当値が70以下と相対的に低く、また認知機能も低下している傾向が見られた。”

科学の本西田公昭 ”【オレオレ詐欺/特殊詐欺】年齢にかかわらず、なりすまされた電話の声を多くの実験対象者が誤って判断することが確認できた。”



高齢者の犯罪心理学




『高齢者の犯罪心理学』
 越智啓太 編著
 誠信書房
 


お題は 高齢犯罪者の心理学 ではなく、「高齢者の犯罪心理学」なのであって、高齢者が起こす犯罪の様相についてだけでなく、虐待被害や詐欺被害などの、被害者となる側の高齢者の心理についても検討されています。

大学の講義を聞きに来る学生に対して、基礎知識としてこの辺を把握しておいてくれると便利なので編みました、なタイプの編纂本です。
で、いろいろな研究者がそれぞれに担当の章を記してくださっているんだけど、わかってないことが多すぎる章もあったりして、研究の余地がどっさりしてる。

見ていくと、「日本は特に、社会的枠組みが高齢者層を孤立させる方向になってってるから、そこ原因で生じるタイプの犯罪率が高齢者で高くなってるんだよ、異国と比較して社会設計や制度設計が不適切っぽい感じだよ」と思えてくる。

編者の越智啓太さんは犯罪心理学の先生。
 ↓好評既刊
越智啓太→●本『ケースで学ぶ犯罪心理学』
越智啓太→●本『犯罪捜査の心理学 プロファイリングで犯人に迫る』

→『ミニ特集:犯罪をめぐる心の研究の本 その1』
→『ミニ特集:犯罪をめぐる心の研究の本 その2』
→『ミニ特集:犯罪を考える本 日本』
→『ミニ特集:刑務所と厳罰化の影響を考える本』

→『ミニ特集:高齢期を知る』
→『ミニ特集:高齢者は自分自身の未来 その1』
→『ミニ特集:高齢者は自分自身の未来 その2』
→『ミニ特集:高齢者犯罪とダニング=クルーガー効果』
 



このページ 調査研究書『高齢者の犯罪心理学』 は以上です。
【2018/10/06】
ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
極上の読書体験を
2010年開始。
●twitter @endBooks
botではなく手動です。


連絡先:メールフォーム


マジです!感謝です!

便利です!yata


メニュー

科学の本 読書に便利なリンク集
┗ 図書館ネットや
  安い古書情報



科学に佇む3000冊
Site map : 科学に佇む





💼 楽天トラベル ✈





 ・ ・ ・