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科学な本のご紹介:  調査研究書『高齢者の犯罪心理学』

科学に佇む書斎



高齢者の犯罪心理学 📖 
けっこうお硬い内容の、研究現状総括本です。
表紙の肖像は中世西欧の画家デューラーによる「93歳の老人の頭部の習作」。

科学の本新岡陽光・越智啓太 ”高齢犯罪者の犯行動機については、やや古いものになるが、『犯罪白書 平成20年版』(法務省法務総合研究所、2008)が詳細な分析を行っている。
 殺人については「激情・憤怒・報復・怨恨」などもある程度はあるものの、「将来を悲観」による親族殺が圧倒的に多く、いわゆる介護殺、介護心中が多くを占めていることがわかる。”

科学の本新岡陽光・越智啓太 ”日本では、高齢化率が7%を超えた1970年から14%に達した1994年まで、わずか24年しかかかっていない(内閣府2017)。さらに日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入したことから、日本の高齢化は世界に例を見ない速度で進行していることがわかる。”

科学の本喜入暁・湯泰彦 ”高齢者の殺人、特に心中に至る要因のひとつは健康問題である。実際に高齢者による殺人では、加害者・被害者とも、精神的・身体的疾患を抱えていることがより多いことが指摘されている。”

科学の本萩野谷俊平 ”『犯罪白書平成29年版』によれば、検挙された高齢者窃盗犯の処遇について特徴的な点としては、起訴猶予率の高さが挙げられる。平成28(2016)年の窃盗の起訴猶予率は、他の年齢層が50%前後であるのに対して、65歳以上では63.1%と、10%以上高い水準となっている。”

科学の本萩野谷俊平 ”高齢万引き犯は他者との関係性が希薄で、6割が配偶者を持たず(未婚、離婚、死別等)、半数以上が独居、家族とのコミュニケーションも少ない(「家族との会話がほとんどない」および「家族はいない」で約4割)。”



高齢者の犯罪心理学




『高齢者の犯罪心理学』
 越智啓太 編著
 誠信書房
 


お題は 高齢犯罪者の心理学 ではなく、「高齢者の犯罪心理学」なのであって、高齢者が起こす犯罪の様相についてだけでなく、虐待被害や詐欺被害などの、被害者となる側の高齢者の心理についても検討されています。

大学の講義を聞きに来る学生に対して、基礎知識としてこの辺を把握しておいてくれると便利なので編みました、なタイプの編纂本です。
で、いろいろな研究者がそれぞれに担当の章を記してくださっているんだけど、わかってないことが多すぎる章もあったりして、研究の余地がどっさりしてる。

見ていくと、「日本は特に、社会的枠組みが高齢者層を孤立させる方向になってってるから、そこ原因で生じるタイプの犯罪率が高齢者で高くなってるんだよ、異国と比較して社会設計や制度設計が不適切っぽい感じだよ」と思えてくる。

編者の越智啓太さんは犯罪心理学の先生。
 ↓好評既刊
越智啓太→●本『ケースで学ぶ犯罪心理学』
越智啓太→●本『犯罪捜査の心理学 プロファイリングで犯人に迫る』

→『ミニ特集:犯罪をめぐる心の研究の本 その1』
→『ミニ特集:犯罪をめぐる心の研究の本 その2』
→『ミニ特集:犯罪を考える本 日本』
→『ミニ特集:刑務所と厳罰化の影響を考える本』

→『ミニ特集:高齢期を知る』
→『ミニ特集:高齢者は自分自身の未来 その1』
→『ミニ特集:高齢者は自分自身の未来 その2』
→『ミニ特集:高齢者犯罪とダニング=クルーガー効果』
 



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【2018/09/16】
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