異郷スゴ本『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』
年間拝読ベスト入り!
イスラムの文化では、異教徒は高い税金を納めさえすれば共存を許されてきた。古から続く伝統宗教を僅かな人数で信奉し続け、いまや迫害から逃れるために「我々皆の亡命」を求める者もいる世界…
元イギリス外交官および元国連外交官経験者が、数々の現地訪問エピソードと、当事者との出会いをしっとりじっくり記してくれた。
もしくは、ヤズィーディー教徒のチャールサマー・ソール Çarşema Sor だったりいろんな表記がされてる。四世紀半ばには、厳しい菜食主義を説くマニ教(マーニー教)の信者がローマ皇帝になりかけたことがあった。もしそうなっていたら、ローマ帝国はキリスト教ではなくマニ教をヨーロッパ中に広めていたかもしれない。
イランのゾロアスター教徒の一部では、クジャクは善きものだが、悪魔も善をなす力があることを示すために、悪魔によって創造されたものだと信じられている。
サマリア人男性は、月経期の妻には触れてはならない。これは正統派ユダヤ教徒の男性も同様だ。だが、サマリア人の規則はもっと厳しい。
どうしてこれらの非イスラーム文化を抑圧しなかったのだろうか?実利的な見方をすれば、非ムスリムからは多くの税がとれたため、被征服者がイスラーム教に改宗すると税収が減ったからである。
ヤズィード教徒は天使マラク・ターウースが毎年、「紅の水曜日 チャールセマー・ソール Çarşemiya Sor」と呼ばれる日に地上に降り立つことにより、新年が始まると信じている。
4月14日以降の最初の水曜日、らしい
クルド人の一派ヤズディ教徒の新年は、南アジアや東南アジアと同じで4月。その元日にあたる日はクルド語で「セル・サラ(紅の水曜日)」と呼ばれるそうだ。この日、女性らは先祖の墓参りをするとの事。
— タブララサ♢tblrs (@Zfk6iY81) 2019年4月17日
ISによるダメージから早く回復してほしい。 https://t.co/nh646tvuIF
読書メモ『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』ジェラード・ラッセル
— Sashida Satoshi (@_mekiEx) 2018年9月17日
ゾロアスター教以前の古いインド・ヨーロッパ語族の宗教を色濃く残しているというカラーシャ族の章をある程度読んだ。そんな人達が居たんだというのがまず衝撃。
『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』
ジェラード・ラッセル
亜紀書房
さまざまな由来がエコーし合う、一種のレクイエムだ。
日本ではほとんど知り得る機会がない人々の現在が語られる中、各章冒頭に日本側で各民族と宗教について解説を入れてくれていて親切。
失われた宗教を生きる人々はとても面白いです(古代オリエントの宗教と合わせて読むともっと面白いよ
— 十戸/通販受付中/COMITIA126 (@palir_o) 2018年10月29日
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