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科学な本のご紹介:  古人骨を測る 同位体人類学序説

科学に佇む書斎


古人骨を測る 
あなたはあなたが食べたものでできている!
どんなものを食べて出来上がった身体なのかの大雑把なところは、あなたの身体が化石となって発掘されても解析することができちゃうのだ。

科学の本生物の分布や起源を探るために同位体比地図を作る研究手法はアイソスケープ(Isoscapes)と呼ばれており、考古学のみならず、法医学、環境化学や生態学など幅広い分野ヘの応用が期待されている。

科学の本資料が少なければ、それを扱う研究者も少ない、というのが日本の実情である。
 古人骨を扱う研究者は骨屋と呼ばれることがあるが、この骨屋は絶滅危惧種かもしれない。近くの大学の研究室を調べてみてほしい。考古学の研究室はあっても、骨屋のいる研究室はほとんど見つからないのではないだろうか。

科学の本炭素には、三つの同位体がある(12C,13C,14C)。存在量は、12Cが98.89%、13Cが1.11%であり、14Cは極めて微量である。14Cは放射性同位体であり、その半減期が5730年であることから考古異物の年代測定にしばしば用いられる。

科学の本炭素12Cと13Cは放射壊変しない安定な同位体である。しかし質量が異なるために、化学反応や平衡状態において軽い同位体のほうが熱力学的に反応しやすくなる。

科学の本骨は約70%が無機物であるハイドロキシアパタイトからできている。歯のエナメル質は、96%以上がハイドロキシアパタイトから構成されている。歯の象牙質は、骨に近い組成である。

科学の本ヒトにおいては、歯のエナメル質中のストロンチウム同位体組成は子どものころの居住地を記録している。これは、歯の形成後にリモデリング(成分の入れ替わり)が起こらないことに由来する。

科学の本海の生物は海水からストロンチウム(Sr)を取り込み、海水と同じSr同位体比を示す。よって海産物を多量に摂取した個体の骨や歯のSr同位体比は、海水に近い値を示すことになる。

科学の本縄文時代の社会は,豊富な資源による社会経済的な不平等が存在するトランスエガリタリアン社会の一つとされている。トランスエガリタリアンとは,平等社会と階層化社会の中間に位置し,社会経済的な不平等が生じ始めている社会のことである。








『古人骨を測る 同位体人類学序説』
 日下宗一郎
 京都大学学術出版会
 


「測る」といっても、測るのは寸法ではなく、骨や歯をほんの少し削ってとれた粉末を分析して炭素や窒素の電子の違い(同位体)の割合を測るという…
本書はかなり論文調で、解析してみた対象も縄文時代やホミニッドだったりして、門外漢が入門に読むにはちょっとつらいかも。

もっと新しい時代の骨や歯を調べて身元(出身地)を同位体分析で考察する作業は「沖縄戦」の遺骨分析などで盛んに行われてたりするんだけど、そっち方面には言及なし。
さても、「沖縄戦」や「フィリピンの戦い」の古い遺骨を同位体分析する話(防衛医大の染田英利さん!)をヨソでうかがって、それがとても面白かったので、
→『君は沖縄戦戦死者のアイソトープを見たか! 同位体比分析による戦没者遺骨鑑定の試み』
おかげさまで本書『古人骨を測る 同位体人類学序説』もwktkに楽しく拝読できたのだけれど、どちらかというと、
 「沖縄戦の遺骨同位体分析悲喜こもごも苦労物語!」
な実録本を誰か出してくれないかなと切望中。めっちゃ面白い(そして書いていいかどうかギリギリな)知られざるネタがふんだんにあると思うんだ。


 →『ミニ特集:考古学の本 日本 その1』
 →『ミニ特集:考古学の本 日本 その2』
 →『ミニ特集:考古学の本 日本 その3』
 →『ミニ特集:考古学の本 日本 その4』
 →『ミニ特集:発掘された日本列島』
 →『ミニ特集:縄文時代 その1』
 →『ミニ特集:縄文時代 その2』
 



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【2018/01/30】
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