病と死の文化 現代医療の人類学


『病と死の文化 現代医療の人類学』
差別視される病気や重い障害を持つ人が死亡した場合には、頭に鍋や釜をかぶせて埋葬し、「再生封じ」の呪いとした地方もある。
見田宗介 ”日本人においては生き残った者が、死者との断絶を拒否するどころか、絶えず、自分の思いを死者の言葉で代弁するというやり方を採用している。”
死者の霊の幸・不幸は、ひとつには子孫が死者儀礼をきちんとやるかどうか、ふたつには死ぬ時の状況の良し悪しによって決定される。
東北地方の豪雪地帯のある地区では、予防医療の最重点地区に選ばれて以来、住民が「最近自分たちはからだが弱くなった」と強調する現象が見られた。「健康に注意」指示の全てを病気だと理解したのだ。
どこの誰かわからない相手、個人的なことに関する情報が全く与えられることのない相手に対する扶助や献身を徳とするような社会的規範は、未だ日本社会には発達していない。
日本人は亡くなった後もなお遺体を個人として扱う。死者と自分の関係を継続していき、そうすることで死を感じる。という波平恵美子先生の話を思い出す。
— 甘もの会 (@amamonokai) 2013, 8月 13

『病と死の文化 現代医療の人類学』
波平恵美子
朝日新聞出版





葬送儀礼・死の民俗学で面白かったのは波平恵美子『病と死の文化 現代医療の人類学』『日本人の死のかたち 伝統儀礼から靖国まで』、オーソドックスな死生観と魂の遍歴を紹介してくれててよかったのは佐藤弘夫『死者のゆくえ』、お勧めなのは加須屋 誠 『生老病死の図像学―仏教説話画を読む』です
— 全然つらくない (@utrechtom) 2015, 4月 5
波平恵美子さんの書いたものを読むたび、いつも簡単に衝撃うけすぎてるような気がする。おやすみなさい。
— tm (@tmizho) 2015, 8月 2