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科学な本のご紹介:  生物学者、地球を行く まだ知らない生きものを調べに、深海から宇宙まで

科学に佇む書斎
【2018/04/24】


生物学者地球を行く 
パワーエコロジーで知られる北海道ゆかりの自然探検研究者さんたちがドッサリここに寄せ書きしたぞ!

科学の本荒木仁志・宮正樹・池田実・矢部衛 ”水深200〜400メートルの海は生命探索という意味において見落とされている生物フロンティアといえるだろう。
この地球には、海水全体の九五%もの水が200メートル以深の海に存在していることを忘れてはならない。”

科学の本大園享司 ”【南極大陸でコケを探そう!】冬場のコケは雪の下に埋もれていて見つけづらい。夏ならヘリコプターで観測小屋まで移動したあと、場所にもよるが半日も歩いて探せばコケ群落を見つけることができるだろう。”

科学の本志水顕 ”たとえ採集者は亡くなっていたとしても、しっかりと作られて管理された標本は、いろいろなことを語りかけてくるのである。
 近年は、このような標本の管理維持や、旧来からの分類学的な研究がともすれば軽視されがちであるが、元来、このような地道な作業が生命科学の根幹であることを忘れずにいたい。”

科学の本三上修”住宅地を調査地として研究する場合は、こそこそするとかえって不審がられて警察を呼ばれてしまうので、調査ボードを持って「調査をしています」アピールをした方が良い。”

科学の本村上貴弘 ”卵はネコメヘビがわざわざ菌園の中に産んだことがわかった。
 ハキリアリの巣内は適温&快適な湿度の上、働きアリの執拗な掃除と抗菌行動で完ぺきな衛生状態。これだけの条件がそろっていれば、利用しない手はないということだ。”




科学の本村上貴弘 ”掘れば掘るほど、ハキリアリの菌園が収納されている小部屋が出てくる。その小部屋にはさまざまな未知のものが詰まっている。ハキリアリと他の生物たちが織りなす六000万年の歴史が凝縮した小部屋なのだ。”

科学の本村上貴弘 ”ハキリアリは大害虫でもある。ブラジルでは国家予算の10%がハキリアリ対策に費やされている。2003年の報告では年間1万2000トンもの殺虫剤がブラジル全土に散布され、農薬の購入費用だけで400億円以上に達している。”








『生物学者、地球を行く まだ知らない生きものを調べに、深海から宇宙まで』
 小林真、工藤岳
 日本生態学会北海道地区会
 文一総合出版
 


それぞれの研究で売れ線の本がガッチリ数冊出せるほどのものなんだけど、本書は寄稿した人数が多いぶん、各人ちょっと記述が短くて物足りない感じ。
でも、本書の目的は研究の紹介と、「研究者になりにおいでよ!」「研究を応援してよ!」メッセージを打ち出すことだろうので、この数多いフィールドの中から、気になる課題があれば別途その研究者さんの本を追えばいいわけで、研究者カタログとして割り切ってしまえば楽しい。というか、もっとカラー写真堪能したかった。

研究者さんが仲間メモリアル用に買ったり、「こんな現場なんだよぉぉ」と親族説明向けに配ったりする本としても便利な仕様。

寄稿者と関連書:

●深海と大海原へ
藤倉克則  深海生物 光合成に頼らないで生きる工夫
 ┗ 『海の底深くを探る』
藤原義弘 鯨が支える深海底のオアシス
荒木仁志・宮正樹・池田実・矢部衛 北の海に未知なる生命を求めて 環境DNAの挑戦

●南極、北極とその周辺ヘ
大園享司 カビが映し出す北極と南極の極限環境
小林真  北極圏の「ミステリー・サークル」
 ┗ ラップランドの円形土について:構造土についての小疇尚『大地にみえる奇妙な模様』 と併読オススメ
梶本卓也 シベリアの永久凍土を生き抜く樹木
露崎史朗 ツンドラファイヤー 永久凍土帯の野火が生態系に与える影響
島野智之 前人未踏の地にササラダニを求めて
 ┗  『ダニのはなし 人間との関わり』

●山へ
工藤岳  温帯に浮かぶツンドラ:高山植物の生きざま
植竹淳  熱帯の氷にすむ生物 
志水顕  火山に生きる地衣類を調べる
奈良一秀 キノコが森をつくる!? 不毛の大地で助け合う樹木と菌
廣田充  世界の屋根、チベット高原の広大な草原に迫る危機
 ┗ 村上哲生・南基泰 『チベット高原の不思議な自然』 と併読オススメ

●乾燥地へ
前野ウルド浩太郎 サハラ砂漠にバッタを求めて
 ┗  『 孤独なバッタが群れるとき サバクトビバッタの相変異と大発生 』
成田憲二 空中に種子を貯める砂漠の一年草
佐々木雄大 乾燥草原で、生物多様性の役割を考える

●森へ
市栄智明 熱帯雨林で起こる「森のお祭り」のメカニズムを解き明かせ!
飯田佳子・北島薫 過酷な熱帯林の林床を生き抜く実生たち
石井弘明・東若菜 樹高一00メートルの世界から
末次健司 暗闇でひっそり生きる、光合成をやめた不思議な植物
松田一希 ウシのような胃をもち、ヒトのような社会でくらすサル
 ┗  『 テングザル 河と生きるサル 』
村上貴弘 農業をするアリ、ハキリアリの小宇宙
 ┗  『パワー・エコロジー』

●都市でも
三上修  都市環檄 ヒトの文化が生物の暮らしに最も強く影響する空間
 ┗  『 スズメ つかず・はなれず・二千年 』
大石善隆 健気に、たくましく、そしてときにはしたたかに……「都市のコケ」
曽我昌史 都会の中の「孤島」に生きるチョウたち
森井悠太 都市近郊で殻を振り回すカタツムリ

●宇宙へ!
堀川大樹 宇宙のクマムシ
 ┗  『クマムシ博士の「最強生物」学講座 私が愛した生きものたち』
久米篤  植物にとっての重力とは? コケ、宇宙へ!




 →『ミニ特集:フィールドの生物学、野外調査に邁進する日々その1』
 →『ミニ特集:東南アジアでフィールドの生物学』





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