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科学な本のご紹介:  男の分析本『介護する息子たち 男性性の死角とケアのジェンダー分析』

科学に佇む書斎



介護する息子たち 📖 
「男らしさ」という<呪い>は親の介護で牙をむく!
この本に記される痛烈な指摘を直視できる男性は、日本にはどのくらいの割合で存在できているだろうか。

科学の本要介護高齢者に対する家族による虐待の加害者のなかで、息子が占める割合は突出して多い(40.3%)。加害者のなかの息子の割合は、不自然なほどに多いのだ。

科学の本家庭内介護での虐待事例は、息子によるものが突出して多いが、その虐待を関係として見る場合、看過できない事実がある。それは、被害者の八割が母親である、という事実である。

科学の本息子=男性にとって必要なのは、相手の弱さを認めないことではなく、弱さを受け容れることである。もっと言えば、相手の弱さを認めた上で、その存在を侵さずに済む回路を探ることである。

科学の本男性のケア能力の高さを説明可能にしようとする際に編み出される論理は、必ずしも「男性も親の介護ができる」という論理ではない。そこではしばしば、女性のケア能力を貶めることによって「男性の方が親の介護を上手くできる」という論理が展開されている。

科学の本「男らしくない男性」や「女らしくない女性」は「変わった男性」「変わった女性」としてしばしば周縁化されるし、ときには「逸脱」として制裁を受けることもある。ステレオタイプの反例を「単なる例外」として周縁化し、貶めることによって、それは、標準の「標準性」 -- いかにこちらが「ふつう」か -- を強化し正当化するためにも用いうる。

科学の本性差に関する特定の言説だけが、まるですべての男・女に当てはまるかのように「事実」として流通するのはなぜか。それは単に、その言説を「事実」としておくことが「都合が良いから」に過ぎない。
 その言説は「真実」を表現した結果ではない。むしろ、それは、その言説に当てはまらない現実を斥けるためにこそ機能する。




介護する息子たち: 男性性の死角とケアのジェンダー分析


『介護する息子たち 男性性の死角とケアのジェンダー分析』
 平山亮
 勁草書房
 


親を自立させる(介護がいらない状態に持ち直させる)ことができない男は_男として負け犬だ_というジェンダーの呪詛。
周りの女性から日々あたりまえのように配慮をされて暮らしていながら、その配慮の存在を無視することによってはじめて成り立つ男の「自立・自律」。
「女性の役割」を他者に押し付けた上で「男」を発揮するという、関係性の逆境に日々殴られ続けることになる男。
のみならず、ジェンダー呪いが浸透した社会では、男自身を縛る呪いだけでなく、「悪気のない」近所のおばさんからかけられる言葉の呪い(グッサリ)もあるわけで、これはキツイ。

息子が要介護の親の終末期医療を台無しにするというパターンは、
小笠原文雄著→●本『なんとめでたいご臨終』
にも、たいへん残念な事例(しかもありがち)として記されているわけで、息子による「自分の見栄(自分の心の解決)としての介護」が、家族の心を無視して行使されてしまう、この仕組みの根深さはキツイ。



→『ミニ特集:ジェンダーな社会系の本』
→『ミニ特集:助け、助けられる介護現場の本』
→『ミニ特集:家族家族家族 その1』
→『ミニ特集:家族家族家族 その2』
→『ミニ特集:家族家族家族 その3』
 



【2017/02/17】
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