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科学な本のご紹介:  セックス・イン・ザ・シー 私たち人間と、性転換をする魚、ロマンチックなロブスター、変わった性癖のイカ、そのほか海のきわどいエロスとの密接な関係

科学に佇む書斎
【2017/08/17】


セックス・イン・ザ・シー 
めくるめくエッチな海の世界を堪能できるだけでなく、海洋資源と環境保全の大切さについてもガシガシ伝えてもらえるおトク本なのだ。

科学の本ほぼ人間と同じくらいの大きさのネズミイルカは、全体重の4%から6%に当たる、約3.5kgもの重さの精巣を持つ。これは人間の男性の平均的な精巣の重量の100倍以上に相当する数字だ。

科学の本現存する少なくとも1つの種の貝虫の精子は、体長の10倍以上もの長さがある。これを人間にたとえると、身長1m80cmで長さ60cmのペニスを2本持つ男性が、1個がスクールバスほどの長さの精子を出す計算になる。

科学の本フジツボをはじめとする蔓脚類(まんきゃくるい)の実に面白い点は、固着した場所から動けないにもかかわらず、一種(ペルセベ)を除いて体内受精を必要としていることだ。大部分は雌雄同体だが、自家受精は行なわない。

科学の本ピシオネ属は体内受精を行なう数少ない多毛類の1つだ。これらの蠕虫は、体節1つにつき1つのペニスまたはヴァギナがあり、10以上の体節が連なっていることもある。交尾の場面は大きなジッパーが閉まっていくように見える。

科学の本メスがより複雑なヴァギナを持つ種の場合、オスはより大きな精巣を持っているらしいことがうかがえる。このことはかなり激しい乱交パーティーの存在を示唆している。

科学の本カブトガニの血液の重要性は高く、毎年50万匹の生きたカブトガニから血を抜き取る作業を専門に行なう採血士が、認証を受けた企業のために働いている。採血の様子は、宇宙人による誘拐を題材としたB級映画の一場面さながらだ。




科学の本アワビとアワビの間を1m以上離すと、受精の成功率は著しく低下する。ダイバーたちによって間引きされると、個体数が激減するのだ。生息している種の総数ではなく、密度に重点を置いた管理戦術が必要となる。

科学の本環形動物のタイヘイヨウパロロは、海に生息するミミズの仲間だ。
 年に一度、満月が訪れると繁殖のために群泳するが、その時にはオスとメスの体の後部が精子または卵子でいっぱいになってつぼみのようにふくれ上がり、やがて体から分離する。繁殖のために自らの体の後部を犠牲にするこの行為は、「エピトキー(生殖変形)」として知られる。


太平洋パロロとは











『セックス・イン・ザ・シー 私たち人間と、性転換をする魚、ロマンチックなロブスター、変わった性癖のイカ、そのほか海のきわどいエロスとの密接な関係』
 マラー・J.ハート
 講談社選書メチエ
 


この本では、海洋生物の性行動、性淘汰、生殖様式について多様かつ豊富に挙げられていて、性行動研究に詳しい読み手さんは「なぜこの性の話を海洋生物だけに絞らなければならないんだ」とちょっと首をかしげるハメになるんだけれど、この焦点絞りにはワケがある。
著者が海洋環境保全の活動家さんなんだ。
だから、語りはうまいし知識は豊富だし説得力あるし、なにより厚い語りの中にさりげなく「だから彼らのセックスを守ってあげないと海がダメになっていくんだ」と確実に伝わるメッセージが配されているのがニクイ限り。

登場する生き物は実に多彩。
最初読んでいくと「問題の生物の画像がなくてよくわかんない→画像を検索してみる→おおーっ!」なことがあったりしていたのだけれど、なんのことはない、読み進むと巻中に写真豊富なカラーページがあったりする。というか、なぜカラーページを巻頭に置いてくれなかったんだ講談社。


 →『ミニ特集:海の生態系』
 →『ミニ特集:性淘汰 性の生物学』
 



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