このサイトの中を      2018年拝読ベスト本   2017年拝読ベスト本  

科学な本のご紹介:  魅惑の異界『チベット高原の不思議な自然』

科学に佇む書斎



チベット僧院ギャンツェPixabay 📖 
年間拝読ベスト入り!
この世で今しか観察することができないかもしれない貴重な世界を垣間見ることができた研究者さん二人が報告する異邦の地研究記。
じっくり読ませてくれて、満足感も高い。

科学の本”チベット南部では、低温と乾燥のために腐朽菌が枯れた植物を分解することができない。そのため、毎年植物遺体は、分解されずに堆積しつづけていく。

科学の本二、三日も過ぎれば街を歩きまわる気力も多少回復するが、まだ数日は出発できない。完全な高度馴化、つまり酸素を運ぶ役割の赤血球が十分な数に増えるまでには、10日以上を要するそうだ。

科学の本チベット南部は、他の高山帯や高緯度帯と同様に、植物の成長可能な期間が夏のわずかな期間しかない。そのため、短い期間で発芽、開花・結実までを終えなくてはいけない一年生草本の多くは、小型化したと考えられている。

科学の本平均水深と言うと、湖のあちこちで測った水深を平均したものと誤解されそうだが、湖の場合は、容積(m3)を面積(m2)で割った値を平均水深(m)とする。

科学の本酸素の生産速度は、日の出から光が強まるにつれ増大するが、最も光の強い正午ごろ一時的に低下する。その現象が「強光阻害」だ。日本の真夏でもその程度の紫外線強度が測定されることがあり、浅い川や池では光合成の阻害が見られる。

科学の本日本では、戦後の高度成長期に自然環境は大きく変化した。しかし、具体的にどのように変化したのかについては、ほとんど記録はない。今となって自然を復元しようとしても、手がかりさえないことがある。





『チベット高原の不思議な自然』
 村上哲生・南基泰
 築地書館
 


未知の自然世界についての(しかも中国という異国縛りのもとでの)調査の実際と研究者の視点がよくわかる。
水環境の村上さん、植物研究の南さん。二人で組んだぶん、知見の厚みがたのもしい。

なにより、この先必ずや失われるとわかっている自然、十分な研究もなされないまま瓦解していくだろう(中国の支配下における自然生態系の)痛烈なはかなさが、静かに、静かに刺さってくる。

もっと読みたいと思わせてくれるのだけれど、この二人のチベット高原調査はこれで終わり…。
祭の存在を知ったときには、すでに終わっていた、そんな残念感に見舞われたりするけれど、チベット高原エリア以外の異国の自然調査についてはまだ続けられているらしい。
待ちます。続報を。


 →『ミニ特集:チベット文化の本』
 →『ミニ特集:フィールドの生物学、野外調査に邁進する日々その1』
 →『ミニ特集:東南アジアでフィールドの生物学』
 



【2016/08/14】
ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
極上の読書体験を
2010年開始。
●twitter @endBooks
botではなく手動です。


連絡先:メールフォーム


マジです!感謝です!

便利です!yata


メニュー

科学の本 読書に便利なリンク集
┗ 図書館ネットや
  安い古書情報



科学に佇む3000冊
Site map : 科学に佇む





💼 楽天トラベル ✈





 ・ ・ ・