サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福


『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』
著者はイスラエル出身の歴史学教授。
しかしなにより、「わかっていてやっている」恐ろしく頭の切れる役者だという感触が強く残る。
何を言って、何を言わないか。このビジョンを与えるためにどうすべてを調整して捏ね上げるか。
一神教は秩序を説明できるが、悪に当惑してしまう。二元論は悪を説明できるが、秩序に悩んでしまう。
歴史の数少ない鉄則の―つに、贅沢品は必需品となり、新たな義務を生じさせる、というものがある。人々は、ある贅沢品にいったん慣れてしまうと、それを当たり前と思うようになる。そのうち、それに頼り始める。そしてついには、それなしでは生きられなくなる。
人類が農場で飼育している家畜を、巨大な秤にすべて載せたら、その重量は約7億トン。対照的に、ヤマアラシやペンギンからゾウやクジラまで、残存する大型の野生動物の総重量は1億トンに満たない。
戦争の代償が急騰する一方で、戦争で得られる利益は減少した。戦争は採算が合わなくなる一方で、平和からはこれまでにないほどの利益が挙がるようになった。
近代のサピエンスが成し遂げた比類のない偉業について私たちが得意がっていられるのは、他のあらゆる動物たちの運命をまったく考慮しない場合に限られる。
お金や社会的地位、美容整形、壮麗な邸宅、権力の座などはどれも、あなたを幸せにすることはできない。永続する幸福感は、セロトニンやドーパミン、オキシトシンからのみ生じるのだ。
サピエンス全史によると、西洋科学は他の文化に類を見ない、未知の発見と征服が富をもたらすという社会的な合意によってここまで強力な力を持ったとする。これはコロンブスの新大陸発見からはじまる新大陸征服の歴史に基づく。他文化では、全ての価値ある知識は神か賢者が過去に記述してると信じていた
— しかのつかさ (@sikano_tu) 2017年4月14日
「サピエンス全史」。ヨーロッパの大航海時代と科学の発展の鍵が「空白のある地図」、つまり「自分の無知を認める事」にあったという指摘に唸る。それ以前の文明は未踏の土地の地図も想像で埋めて空白を良しとしなかった。
— Shuuji Kajita (@s_kajita) 2017年12月24日
未知の発見と征服とい思考が受け入れられない文化は、ことごとく西欧に遅れをとった。この新しい発想を比較的早くキャッチアップできたのは日本だけだった。
— しかのつかさ (@sikano_tu) 2017年4月14日
サピエンス全史を読むと、僕ら人類は虚構を信じることができた
— ダリオ (@yan_kougaku) 2017年4月14日
そのため、他者と協力し発展することができたとある
ベンチャーを見ていると創業メンバーに神話は必要ない
追加メンバーに神話は必要だ
神話の必要性が昔は理解できなかったが、サピエンス全史のおかげで分かるようになった
※ 2018年01月 有志による サピエンス全史図解


『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
原書は2011年。邦訳はその5年後に出たことになる。
遅ればせのこの日本での盛り上がり(もしくはなびき)は何なのか。
先の見えないポストモダンの中に棹さされた「正当っぽい清い御旗」が良かったのか。
このあたりこそ、客観的に調査して人類史に残しておくのはいかがだろうか。
上下巻が一つになった電子書籍版もあります ↓
『銃・病原菌・鉄』『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』『サピエンス全史』。この3つを読まないと、人間になれない
— テラヤマアニ (@kowagari) 2017年4月3日
これね ↓


おっと…

#HomoDeus やばい子でした。サピエンス全史は前座だった😮post humanism, post liberarism, data religion. マタイ受難曲聴きながら読んで壮大な矛盾と奇妙な照合感。 https://t.co/Yyb86qavhU
— Jun Rekimoto : 暦本純一 (@rkmt) 2017年4月15日
ロボットに仕事を奪われた人間は仮想現実の世界に住むことになると「サピエンス全史」のユヴェル・ノア・ハラリが指摘 https://t.co/4XMyaJfBXf pic.twitter.com/SyTfgu8DPn
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) 2017年5月28日
これで最悪なのはいわゆるマトリックスのパターン。仕事を失った人類はそれでも働きたくて、仮想空間内にまだ仕事のあった時代を再現して一生懸命働いてる、それが真実だ、みたいな……(笑)。勘弁してくれー。 https://t.co/VRqZzM4qwh
— ume_pon (@ume_pon) 2017年5月28日