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科学な本のご紹介:  歴史家の城歩き

科学に佇む書斎
【2016/06/11】



歴史家の城歩き『歴史家の城歩き』

ものすごい泥沼へのいざない。
お城入門の段階は卒業して実際に山城めぐりをしたことがあるレベルの人向けの、本格「あなたもできる戦国城郭構造発見」の旅!

科学の本守り手の立場で山城を歩くためには、まず山のトップまで登りきるのです。途中の遺構は横目に見るだけにします。全ての遺構は山を降りながら見るのです。

科学の本当時の人が歩いた道をたどって、城の構造を考えるのです。虎口があれば、出入り口ですので「ここを通過しろ!」。堀があれば「ここから中には入るな!」。土橋や木橋の痕なら「ここを歩け!」です。

科学の本中井均 ”交通の要衝に城は築かれるとよく言うけど、それも曖昧な言い方で、道路を見下ろすだけの山なら他にいくらでもあるのに、なぜその山を選ぶのか。その山だけが交通の要衝ではなくて、山の持つ聖性は絶対にあると思う。”

科学の本齋藤慎一 ”関東の城は、とにかく堀切でもって遮断する発想が共通しているように見える。唐沢山城も山上に住んでいると思うけど、堀切で遮断しようとする発想が如実です。階段状の郭も付いている。こうした城の造り方は、関西とは違うのでしょうね。この違いは「城郭文化」の違いとしか言いようがない。”

科学の本中井均 ”地形的な制約もあるのかもしれない。千葉や茨城に行くと、山ではなくて河川や湖沼の台地を使う場合が多い。そもそもそうした台地地形が西日本には少ない。そのせいか西日本に比べて、戦国末期の関東の城は大規模です。”

科学の本齋藤慎一 ”豊臣的なあり方は、直線・四角・石垣、そして中心性。本丸・二の丸・三の丸のように、主従関係が明確に表現される。これに対して東北的な城館は群郭式の城館で、本丸とは言っても、郭が群在して各郭が寄り集まった構造になる。”

科学の本齋藤慎一 ”城の戦国から近世初頭の変化は劇的です。1つの概念で城とは言えない。城が政庁になって、政庁に要害が不必要になる。”

科学の本中井均 ”富山城の模擬天守の下にある枡形に五行の石がある。大きな石を五つ立石で置いて、そのまわりに笑い石という小さな石を置いて目地を通していく。秘伝書には陰陽五行だとあるのです。まじないや呪術の世界までが石垣の中に組み込まれていく。”

 



『歴史家の城歩き』
 中井均・齋藤慎一
 高志書院
 


GPS活用があたりまえになり、ネットを介して広く知恵を持ち寄って現地調査の結果を集積していける時代。
そんな中、素人の暴走というか、「城の構造を発見した」自説が、専門家の検証を経ずに地元の名所になったり村おこしに使われてしまっている例もあるという。

本書は、城郭調査歴の長い著者お二人の対談形式で記述され、業界事情(諸説の経緯や昨今の論壇の問題点など)も盛り込まれてライブ感ひしひし。
評判の高い濃厚本です。


 →『ミニ特集:日本の城を学ぶ本』
 →『ミニ特集:日本の建築物を眺める本』
 →『ミニ特集:ニンニン!日本の忍者』

 



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