介護ビジネスの罠


『介護ビジネスの罠』
本書では不正の手口や悪徳業者の最新動向を紹介しながら、事業者が何を考え、それらに行政がどこまで対応し得るのかを取材でのやり取りを通して突き詰め、さらに制度のどこに問題があるのかを解き明かすのを狙いとした。
「措置から契約へ」を謳(うた)い文句に始まった介護保険だが、それは言い換えれば「福祉からビジネスへ」の転換でもあった。
「いかにして儲けるか」ばかりを考える利益優先の事業者が、あの手この手で高齢者を狙っている。その罠は巧妙で、ひっかかっても本人はもとより家族も気づいていないことが少なくない。
ケアマネジャーが介護事業所に利用者を紹介する見返りに手数料を受け取ることは介護保険法で禁止されており、行政処分の対象になりうる。だが、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームを運営する事業者側と金品のやりとりを禁止する規定はなく、現行法では規制できない。
小國英夫 ”入居者の通信や移動の自由を制限するのは、人権侵害や心理的な虐待に当たる恐れがある。絶対にやってはならないことです。”
無届・老人ホームもどきを擁護するような発言をする御仁も見受けられるが、届出の有無は入居者保護に直結する大切なポイントである。法令遵守は、経営の基本であることを忘れてはならない。
無届のままでは虐待など不適切なケアが提供されていても発覚が遅れたり、不正請求の温床になったりしやすい。入居者が自治体に苦情を申し出ても、相手にされないこともあるのだ。
「介護ビジネスの罠」読了。最後の「解決策のヒント」は希望と絶望の両方を感じたなぁ。プロの介護職員がチームを組んで適切な対応をすれば、ここまでQOLが良くなるのか、という希望と。それ、在宅じゃまず無理よね、施設でもできるところ(おカネ的に)どこまであるじゃろ、という絶望。
— 武水しぎの (@takemi_sigino) 2016年3月22日
長岡美代『介護ビジネスの罠』講談社現代新書
— счастье (@syouseiryutou) 2015年10月18日
読み進めるにつれ、不快の念が募る一方。最後の章でかすかな光が当てられていたのが、救い。この章に関して掘り下げた記事が読みたい
誰もが介護は初めての経験。そこに付きいる隙間が生じる。今からでも少し疲れた関心持っても遅くはない
長岡 美代氏 介護ビジネスの罠 (講談社現代新書)精読。
— 中野 一茂 (@nakano00k) 2015年10月4日
読み終わった時、呆然としてしまった。「胃ろうアパート」も含めて「介護ビジネス」と言われている事業は確実に一線を越え始めている。そう実感できる内容。そこには存在しているのは経済の論理のみで人間は商品と化している。

『介護ビジネスの罠』
長岡美代
講談社現代新書
講談社
地域の相互扶助の力が弱まりやすいと、地域を超えたシステム(行政や企業)が弱まった部分の需要を補強することになりやすい。
その際、企業の利潤第一さを抑制する力を、地域や行政がうまく発揮できていないと、映画『マトリックス』で描かれた悪夢の人間牧場がまんま顕現することになる。
数年前、

社会設計の何がまずくてこのような事態が引き起こされているのか、厚い現場取材からの問題提起。
長岡美代氏の『介護ビジネスの罠』を読む。現在、介護業界は10兆円規模の巨大な産業となり、異業種からの新規参入も絶えない状態。そのなかには利用者に対するあの手この手の囲い込み等行き過ぎたビジネス優先の状況、それに対して対応の遅い行政の緩慢さについて記載されている。読んでいい本。
— せXX (@substance1987) 2016年2月8日
この本は、図書館で電子書籍版が無料貸し出しされていることがあります。