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科学な本のご紹介:  帳簿の世界史

科学に佇む書斎
【2015/05/21】

帳簿の世界史

科学の本『帳簿の世界史』

会計士さん方面にはたいへんウケの良い一冊。
あなたが日々行っている作業には、こんなにも長く深い歴史の変遷があった!



科学の本富と信心の両方を追求する中世の商人にとって、利益は悩ましい問題だった。
 中世イタリアの商人は帳簿をつけてはいたものの、「最後の清算」を行うのが人間ではないことを片時も忘れたことはない。それをするのは神である。

科学の本ヘブライ、古代ギリシャの伝統に新しくキリスト教が融合していく中、キリスト教に会計文化を持ち込んだのは聖マタイである。マタイは銀行家、税吏、会計士、調香師の守護聖人となっている。

科学の本複式簿記が銀行経営に必須となったのは、それ以外の方法では膨大な数に上る複雑な取引をリアルタイムで記録し、利益を計算することができないからである。

科学の本イギリスのプロテスタントには、実験や観察を通じて神の業である自然を知ろうと努め、その知識を現世の富に活かすことによって神の意志の実現をめざす姿勢が、宗派を問わず認められる。

科学の本進化の過程とは、自然の精緻だが暴力的なバランス・システムにほかならず、このバランスは複式簿記の世界を連想させる。ダーウィンは、帳簿をつけて事業を把握することを得意としていた。

科学の本江戸時代には独自の複式簿記が存在していた。西洋の正式な複式簿記とは異なり、筆による縦書きで、ゼロがなかった。
(十進法ではあるものの、算盤での計算においてゼロは「飛んで」と読み上げられるため、帳簿にも記載されなかった)









 


『帳簿の世界史』
 ジェイコブ・ソール
 文藝春秋
 


世界史と謳ってはいるけれど、記されるのはほぼキリスト教文化圏の西欧世界のみ。
全然世界史じゃなくて、ごくごくローカルな文化史みたいな。

「最終的に帳尻を合わせる」という観念が、一神教影響下での「神と対峙する上での善悪の帳尻」と共鳴して、つまびらかに記載する行為が神(真理)に対する忠実さと重ね合わされる、そんなあちらの文化観がとってもローカル。…それであれば、イスラム圏の帳簿についても(ry

具体的な帳簿の付け方が紹介されている本ではないので、そのへんは期待なさらないように。

巻末に補足として、日本の出版社側で手短な「帳簿の日本史」を記載してくれているのが嬉しい。





 →『ミニ特集:数学、算数の世界-1』
 →『ミニ特集:数学、算数の世界-2』
 →『ミニ特集:数学、算数の世界-3』
 →『ミニ特集:情報を科学した本』

 



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