ミニ特集:韓国の文化と社会 2

『日本人・中国人・韓国人 新東洋三国比較文化論』
金文学 白帝社
●「三国人」など当時の流行り言説に反応しながら、散漫だけれど著者なりに試行錯誤を繰り広げた一冊。
本書の記述の何がどう偏見になってしまっているのか、もっと新しい著作と読み合わせると乙。
こちらで紹介

『韓国人に教えたい日本と韓国の本当の歴史』
黄文雄 徳間書店
●異国の把握は、異国人と知り合うこと、異国に滞在してみること、そして定評のある書籍を複数読み通すことが大事。多角的に見ないとうまくいかない。
多角的な状況の一面を埋める意味で、手軽な一冊。
朝鮮半島は歴史上(紀元前3世紀頃の衛氏朝鮮のときから)、ずっと中華帝国の属国であり、独立国ではなかったからです。
朝鮮半島がはじめて独立したのは、日清戦争で日本が勝利し、清朝に朝鮮独立を認めさせたときです。朝鮮の歴史を学ぶうえで欠かせないのが、「事大主義」の理解です。
事大主義とは「大に事(つか)える」という意味ですが、朝鮮史ではとりわけ、中華帝国にひたすら仕えることを意味します。「韓国国内の風俗店で働く女性は189万人」(朝鮮日報2012年6月15日付)とも報じられており、15〜64歳までの韓国人女性の人口をもとに計算すると、9人に1人が性風俗に関係していることになります。
1884年の「甲申政変」は、朝鮮半島の遅れた現状に不満を持つ改革派・独立派が起こしたクーデターでした。
袁世凱率いる清軍が介入し、クーデターは3日で壊滅しました。クーデターに加担していた者たちは、ことごとく捕まり、残虐な方法で処刑されたのです。
リーダーの金玉均は亡命したものの、後に暗殺されて、その死体はバラバラに引き裂かれて朝鮮各地にばらまかれました。