私たちは今でも進化しているのか?


糖質制限ダイエットのたぐいが跋扈してしまっている日本の巷へ、流行源流のアメリカから「それちゃいまんがな」科学ツッコミがやってきた!
食事や運動をはじめ、他のあらゆる生態について、私たちは唯一の「自然」なやり方を決めたがるが、そのようなものは存在しないし、自然なセ…クスのパターンもただ一つではない。
少数の男が優位に立ち、女性がおとなしく従うというパレオファンタジーは、誰もが夫婦になって決して浮気しないというのと同じくらい非現実的だ。人間は時代と場所により、さまざまな婚姻システムのもとで、うまく子孫を産み育ててきた。
動物における一夫一妻制は、たいてい、子どもの世話があまりにもたいへんで、片親だけでは育てられないときに進化する。人間も、その条件を間違いなく満たしている。
アカ族は中央アフリカにすむ狩猟採集民だ。
狩猟採集民の父親が赤ん坊と過ごす時間は、農耕民族の父親より有意に長いという。そして西洋社会の父親は、両者の中間くらいに位置する。食事や運動をはじめ、他のあらゆる生態について、私たちは唯一の「自然」なやり方を決めたがるが、そのようなものは存在しないし、自然な繁殖のパターンもただ一つではない。
垂水雄二 ”これさえ食べなければ、あるいはこれさえ摂取しておけばという論理は、一見説得力があり、暗示的効果もある。しかし、たいていまちがっている。ただまちがっているだけでなく、へたな健康法は時には命を脅かしかねない。”
垂水雄二 ”糖質制限ダイエットの源流は、アメリカで大流行しているパレオ・ダイエットと呼ばれるものである。旧石器時代(パレオリシック)の原始人と同じような生活をして健康になろうというのである。
その前提になっているのは、原始人は穀物や糖分をとらず、肉を主食にしていたのに健康で幸せだったという思い込みだ。”
『私たちは今でも進化しているのか?』 人類進化学も日進月歩の分野なので、新証拠が出るたびに新仮設が立てられます。最近の研究だと、初期人類における「オスによる狩猟」の価値はそれほど高くなかったのではないか、とのこと。それは人間の体が短距離走より持久走に向いていることに関連している。
— 深見 真 (@fukamimakoto) 2015, 6月 5
マーリーン・ズック「私たちは今でも進化しているのか?」読了○ #本
「人間は大部分を狩猟採集民として生きてきたから現代社会の急速な変化に適応できてない。自然に帰れ」ってよく言われるけど眉唾で,わりと短い間でも人類の遺伝的変化は起こってきたようだから,あまり極端に振られるなよって話
— Erscheinung39 (@Erscheinung35) 2015, 9月 2

『私たちは今でも進化しているのか?』
マーリーン・ズック
文藝春秋
ヒト進化の本だとおもって読み始めると、あちこちに「おかしなダイエット(パレオ・ダイエットや糖質制限)に対するツッコミ」が記されていてちょっと面食らうけど、うん、この手の錯誤言説の中では、比較的ツッコミしやすいネタが豊富で、ツカミネタとしてラクなんだよね → 糖質制限ダイエット界隈
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との読み合わせもオススメ。
『私たちは今でも進化しているのか?』読んでる。p.130まできた。
今まで読んできた内容を100%鵜呑みにすると、パレオ式ってのは江戸しぐさ的だな、と。パレオ式の良し悪しは置いといて、元ネタというか背景が(捏造か無知によるものかは知らんが)間違っている、と
— YUJI Nishimura (@nishim) 2015, 12月 16