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科学な本のご紹介:  つながりを煽られる子どもたち ネット依存といじめ問題を考える

科学に佇む書斎
【2014/07/02】



つながりを煽られる『つながりを煽られる子どもたち ネット依存といじめ問題を考える』

年間拝読ベスト本入り。
いじめの問題については付随的に記されています。
なによりメインは、今の親世代や若年層が陥っている重度のコミュニケーション不安(21世紀に入って特に顕著になった)を、社会調査データを元にガリガリ陳列してくれていることであって、これスゴイ。

科学の本「世界価値観調査」によると、2000年以降の日本では、人生を決めるのは勤勉よりも運やコネだと考える人びとが増えています。昨今のコミュニケーション至上主義がその背景の一つとなっているのは間違いありません。

科学の本NHK放送文化研究所が1982年から5年おきに実施している「中学生・高校生の生活と意識調査」によれば、学校を楽しいと感じる中高生はほぼコンスタントに増えつづけており、最新の2012年調査では、中学生と高校生のどちらも95%を超えています。
 人間関係に満足していると回答した人の割合は、高年齢層では現在までほとんど変化がないのに対し、若年層では2000年を越えたあたりから大幅に上昇しているのです。


 ┗ 学校を出て社会人になるということは、話の通じないゾンビだらけのバトルロワイヤル世界に放り出される感として表象される。「卒業後は自分の幸福度が低下するだろう、学校にいる今はまだ幸せなのだ」と感じられている。
 

科学の本NPO法人「子どもとメディア」の2013年調査によれば、「ネット以外に自分の居場所がある」「ネット以外に熱中していることがある」「人間関係に恵まれている」と答えた小中高の児童生徒のほうが、そうでない子どもよりもケータイやスマホの使用時間はいずれも長い傾向が見られました。
 現実の人間関係とは別の世界がネット上に構築されているのではなく、むしろ現実の人間関係がネット上にまで拡張されているのです。

科学の本今日の中高生たちの多くは、1980年代に若者の代弁者と呼ばれ、カリスマのように崇められたロック歌手、尾崎豊の歌を聴いて、被害妄想ではないかと違和感を抱くといいます。

科学の本先行きが不透明ななかで、できるだけリスクを避けて慎重に行動するようになった結果、かつて大きな社会問題となっていた青少年犯罪も、2003年以降は激減しているのです。

科学の本学校の教師たちも、昨今はリーダー役を引き受けてくれる子どもが見当たらなくなり、学級運営が難しくなっているとこぼします。
 今日の子どもたちは、プラスにであろうとマイナスにであろうと、どちらでも集団のなかで目立つことは非常にリスキーなことであり、できるだけ回避しなければならないと感じるようになっているのです。

科学の本地縁や血縁だけでなく、社縁すらも薄れていく今日の社会で、孤立することなく無事に生き抜いていくための人的資源を、博報堂生活総合研究所は「インフラ友だち」と名づけています。

科学の本付きあう相手を勝手に選べる自由は、自分だけでなく相手も持っています。だから、その自由度の高まりは、自分が相手から選んでもらえないかもしれないリスクの高まりとセットなのです。



 


『つながりを煽られる子どもたち ネット依存といじめ問題を考える』
 土井隆義
 岩波ブックレット
 岩波書店
 


おっさん・おばさんは、現在の若年層がどのような社会環境の中でどんな世界観・将来感を刷り込まれているのか、把握しないままトンチンカンな老害発信者になってしまっていたりしてないか。

生育環境で刷り込まれる「こう行動したら状況が良くなるはず」展望は、人生をやっていく上でめちゃめちゃ大きな影響を与えてくる。
自分らとは全く異なる社会環境で育つ人は、どのような社会観を抱えていくことになるのか、つまりは異文化の人に対する姿勢はどうあるべきか、まずはこの、ページ数は少ないけどやたらグサグサ刺さりまくる尖ったブックレットの洗礼を受けておこう。

この本は→『2015年拝読本のベスト』に入ります。

著者さんがゲスト解説
リンク子どもたちの世界に何が〜大阪中1遺体遺棄事件
2015年9月 クローズアップ現代
ゲスト 土井隆義さん(筑波大学教授)

この本の前著の
→●本『キャラ化する/される子どもたち 排除型社会における新たな人間像』
も併読オススメ。
どちらも薄くて手軽なブックレットです。






ここで突然、15の夜談義




このくだりに驚きを表明する1994年生まれさん
(違和感を感じなかった若い成人)
   ↓

自称「無職パラ引きニート20年」さん、たぶん1996年あたり生まれ
(違和感を感じた若い成人)
   ↓

そしてこちらはたぶん1990年より前の生まれの年長さん
   ↓







 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 その1』
 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 その2』
 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 その3』

 →『ミニ特集:思春期 中学生 高校生 その1』
 →『ミニ特集:思春期 中学生 高校生 その2』

 →『ミニ特集:教育・児童心理の本 その1』
 →『ミニ特集:教育・児童心理の本 その2』
 →『ミニ特集:教育・児童心理の本 その3』
 



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