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科学な本のご紹介:  チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る

科学に佇む書斎
【2008/12/15】



青のさざなみpixabay『チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る』

第25回講談社科学出版賞受賞。
日本人ばなれした(?)、実にぐいぐい読ませる力のある著作。

科学の本世の中では一般に、サイエンスといえば「きれいでスマートなもの」ととらえられがちだ。
 教科書が複雑に絡み合った研究成果をきれいな形に整理してしまっているからかもしれないし、マスメディアが研究成果のおいしいところしか報道しないからかもしれない。

科学の本気候システムのように、線形性と非線形性とを兼ね備え、一時的な力がその後の長期的な状態に影響を及ぼす現象は、「ヒステリシス」と呼ばれる。




科学の本世界でもっとも深い海は、水深約1万1000mのマリアナ海溝チャレンジャー海淵である。エベレスト山をそこに沈めてもまだ2000mほどの水深がある。そう考えると、きわめて深いものだ。
 しかし、人間がもし垂直方向に歩けるとしたら、大人の足で二時間も歩けば海底にまで到着してしまう程度の距離だ。

科学の本世界の海の深さを平均するとおよそ3800mになる。
 これは富士山を沈めたら、その頂上がちょうど海面すれすれにくるくらいの深さである。




科学の本最終氷期以降の海面上昇が一段落したのが、およそ7000年前のことだ。それ以前は、100年につき約1mも海面が上昇していた時代である。もし仮に、四大古代文明以前に大きな文明が発展していたとしたら、現在は海面下に沈んでいるだろう。そしておそらく10m以上の厚い堆積物によって覆い隠されているはずだ。

科学の本ストンメルは博士号を取らずに成功した珍しい研究者でもある。28歳のときの論文で、地球が自転していることと、海洋が球面上に存在することが、大陸の東海岸沖、すなわち海洋の西側に極向きの表層流を生み出す究極的な要因であることを理論的に説明した。

科学の本二酸化炭素は水によく溶ける気体で、一気圧、0℃の海水1リットル中に、なんと1.4リットルも溶ける。
 ただし、水に溶けた二酸化炭素は、決して「二酸化炭素」という形のままで留まってはいない。水に溶けた二酸化炭素は、化学反応を延々とくり返し、次から次へと目まぐるしくその形を変えつづける。

科学の本ヤンガー・ドリアスという名は、日本では一般にチョウノスケソウと呼ばれているバラ科植物の学名 Dryas Octopetala に由来する。
 「ヤンガー・ドリアス」という時代があるからには、もちろん「オールダー・ドリアス」と呼ばれる時代もある。さらに、それよりも古い「オールデスト・ドリアス」という時代もある。

科学の本一連の酸素同位体比の変動を年平均気温の変動に換算すると、ヤンガー・ドリアス期が始まると同時に3〜4℃も急低下し、終わるときには6℃も急上昇したことになる。とくにヤンガー・ドリアス期終了時の温暖化は、わずか50年あまりの急激な出来事だった。



 
好評につき、文庫版が出ています。
 

『チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る』
 大河内直彦
 岩波現代文庫
 岩波書店
 


本書の芯のおもしろさを伝える部分は、ツイートにおさまる字数では抜き取れなかった。
ダイナミックな謎解きと、ダイナミックな気候変動。
気象研究でこんなに熱い本は珍しいよ。




 →『ミニ特集:気象の科学についての本 日本』
 →『ミニ特集:気象の科学についての本 日本-2』
 →『ミニ特集:気象の科学についての本 海外』
 



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