このサイトの中を     2016年選り抜き10冊     2015年選り抜き20冊 

科学な本のご紹介:  ぼくらの哀しき超兵器 軍事と科学の夢のあと

科学に佇む書斎
【2015/08/30】



科学の本『ぼくらの哀しき超兵器 軍事と科学の夢のあと』

アフリカの呪術から、われらが妄想の地震兵器まで!
岩波書店の硬派雑誌『科学』に連載された、おもしろうてやがて哀しい超絶兵器計画・超発想攻撃手法のオンパレード・オムニバスだよ。

ヒトは、希望(これから状況が良くなる感)がなければ頑張れない。
「うつ病において妄想症例が少なくない」との報告にかつて接したとき、「なぜだろう」と思ったその答えは、そう、この系列「これから状況が良くなる感がないと行きていけないスガリつき」にあったのだ。

しんどくなった心には、「こんなだったら今の逆境感が吹き飛ぶかな」と思わせてくれる情報は、真偽をふっ飛ばしてめっちゃキラキラ輝いて見えてしまう。
そんなだからこそ、「非常時、戦時、兵器開発試行錯誤の記録」は救われ妄想の秘宝館!

科学の本本書では、超兵器の概念をなるべく広くとった。取り上げた話題の共通点は、それらが「型破り」だという点である。兵器や戦争についての在来型の思考を踏み倒して、フリーダムにもほどがあるアイデアで戦ったり夢想したりした事例集である。現代の兵器開発が科学と密接にかかわるため、多くの話題には科学者も登場する。これらは軍事と科学のダメなマリアージュを拾い上げた珍談奇談集と言ってよいかもしれない。

科学の本私たちは切羽詰まると、希望にすがり、現実の希望が乏しい時は妄想に走る。常識のリミッタを外し、状況を打開する新兵器を渇望する。軍事の〈異次元〉化である。

科学の本科学技術に打ちのめされた人々が、事態を自ら超克しようととる手だては、たぶん次のいずれかでしかない。①受容する、②拒絶する、③夢を見る。

科学の本超兵器は、あとから眺めるといかに阿呆に見えても、常識の束縛を断ち切ってイマジネーションの限界に挑む試みであり、ヒトの構想力が最大限発揮されてきた分野である。

科学の本スキナーはハトを使って誘導ミサイルを作る実験に取り組んでいた。特定の訓練(オペラント条件づけ)をしたハトを弾頭に積めば、目標への着弾コースを自前で修正しながら飛ぶ〈知的な〉ミサイルができるはずだ。




科学の本プラグマティズムとは、決して現代的な科学の合理性にぴたりと重ね合わされるものではない。実際的であるということは、ある意味、思考の自由、あるいはアナーキズムを許容する。

科学の本中谷宇吉郎 ”耳学問(中途半端な聞きかじり)は科学の敵であって、それはプラスよりもマイナスの場合の方が多いのである。”

科学の本絶望は人を殺す。精神的にも肉体的にも殺す。でも私たちは死にたくない。だから絶望の中で、何らかの希望を見出そうともがく。

科学の本敵に先手を打たせてはならない、ならばわれわれが -- 軍備競争とは、幻との戦いでもある。






 


『ぼくらの哀しき超兵器 軍事と科学の夢のあと』
 植木不等式
 岩波現代全書
 岩波書店
 



アフリカの無敵スーパーマリオ妄想マジマジ団、100年以上前に登場した中国版ストライクウィッチーズ、救国の切り札・韓国版ゴッドフェニックス、原子爆弾のエピゴーネン?日本製ゲンザイバクダン…!

冒頭から巻末まで、140字では紹介しきれない面白エピソード群と、読みごたえのある名言迷言満載です。
なにせ、著者さんは以前、妄想研究のスゴ本、スーザン・クランシーの
→●本『なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか』
をも日本にご紹介なさった、トンデモ信念研究の強者。

(ねぇ… 「凍土壁 とうどへき」って、この手の本に紹介されそうな気がしない?)

3.11を経た時点で著された本書では、全編を通して、
國まるごと、迷妄の中に判断力を奪う光明に因われて酔拳踊りをし始めてはいないかぁ
的な、憂国の恫喝が込められている感が強く漂います。

この本は→『2015年拝読本のベスト』に入ります。

ふと思うんだけど、「新聞記者として仕事をした経験を持つ人」って、情報処理・記述能力がなんか一桁違う人が多いよね!
 →『ミニ特集:新聞記者経験者はもしかしてスゴイ』

 →『ミニ特集:トンデモでいろいろする本』
 →『ミニ特集:社会を調べる本』
 →『ミニ特集:ものごとの調べ方、取材の本』





ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
極上の読書体験を
2010年開始。
2013年に突如運営上の問題に見舞われましたが、 皆さんからの支えをいただき、 生き延びることができました。
→2013年の存続の危機
→カンパ応援の数々
その後もTwitter周辺のネット環境激変荒波はハンパなく、かろうじて踏ん張る日々が続いております。

Twitter:@endBooks
botではなく手動です。

連絡窓口:メールフォーム


マジです!感謝です!

便利です!yata


メニュー

科学の本 読書に便利なリンク集
┗ 図書館ネットや
  安い古書情報



科学に佇む3000冊
●twitter 科学に佇む











科学に佇むの今読んでる本