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科学な本のご紹介:  日本の大問題 「10年後」を考える 「本と新聞の大学」講義録

科学に佇む書斎
【2015/08/11】



日本地図HTC『日本の大問題 「10年後」を考える 「本と新聞の大学」講義録』

尖ったベストセラーを持つ論客たちが、自説の尖った部分をそれぞれ論じてくれる。

気になる論点については、別途その著者の本でさらに深く読み進めることができるわけで、顔見世講釈のお試し読みアソートというか、とても便利でおトクな、社会問題詰め合わせ新書。

科学の本上昌広 ”今は急性期の高度医療に関心が集まっていますが、これからの成長分野は慢性期の医療ですから、今の高校生が医師になる頃には、私達が想像もしなかったような姿の医療になっているはずです。”

科学の本上昌広 ”田中角栄首相の頃から、「一県一医大構想」を掲げて、一九七三年から一九七九年にかけて全国に一六の医学部を設置したのですが、四国には新たに三つの国立大学の医学部ができて、四国だけで四つの国立大学医学部を有することになりました。
 ところが、千葉県単体で四国四県とほぼ同じだけの人口があったにもかかわらず、すでに千葉大学があったことを理由に、千葉県にはそれ以上国立大学は作られませんでした。”


 ┗ なぜ、関東含め東日本にはこんなに医者や看護師が少ないのか。
 「国立大学医学部」は昔の配置のまま、その後の人口の過疎化vs.密集地でどえらい医療格差ができてしまった。昔々の政策が、現在の医師偏在に大きく影響しているという示唆。




科学の本上野千鶴子 ”団塊世代は、これまでの高齢者とかなりプロファイルが違います。どういう特徴があるかというと、婚姻率が非常に高い。こんなに結婚したい人たちは、有史以来、最初で最後でしょう。”

科学の本上野千鶴子 ”生涯非婚率というのは、50歳に到達した時点での婚姻経験の有無で見るんですが、2014年に出たデータでは、男性の5人に1人、女性の10人に1人が生涯非婚者であると。”

科学の本上野千鶴子 ”高齢者がどこで増えるかというと、主に首都圏を含む大都市圏で増えます。地方は2030年頃までは増加しますが、その先は高齢化率は上がるが高齢者数は減る、という時代を迎えます。”

科学の本上野千鶴子 ”家族介護には非常に問題が多いです。負担が重いだけでなく、いったん誰かが主たる家族介護者としての責任を背負うと、他の家族は口だけ出して手も足も出さない傾向があるのです。”

科学の本宮台真司 ”ワシントンのビュー・リサーチ・センターの2007年の調査によれば、政府は貧困家庭を助けるべきでないと答える人の割合が、欧州で10%前後、アメリカで28%なのに、日本では38%もあります。日本でも〈見ず知らずからなる我々〉は崩壊しています。”

科学の本宮台真司 ”「いざという時、自分が助かるための道具こそ絆(きずな)だ」という発想はナンセンス。絆は手段ではなく目的です。「自分が犠牲になっても助けたいと思う人がいること」が絆です。”

科学の本大澤真幸 ”若い世代の幸福度が高く出るのは、もうこれ以上よくなる予定がない。現在を超える理想の人生とか理想の社会についてのイメージがない。それが不可能性の時代ということの意味なんです。”


「これ以上よくなる予定がない」という心象風景は、「ぼくらの」の社会人化=死、「がっこうぐらし」の悲愴な卒業観(世の中に出れば話の通じるものはいないゾンビだらけ、家族の姿もない)などでも端的に見て取れる。
参照→●本『つながりを煽られる子どもたち ネット依存といじめ問題を考える』
 



『日本の大問題 「10年後」を考える 「本と新聞の大学」講義録』
 一色清, 姜尚中
 集英社新書
 


目次抜粋:
第一回 一色清×姜尚中 基調講義
第二回 佐藤 優 反知性主義との戦い
第三回 上 昌広 高齢化社会と日本の医療
第四回 堤 未果 沈みゆく大国アメリカと、日本の未来
第五回 宮台真司 10年後の日本、感情の劣化がとまらない
第六回 大澤真幸 戦後日本のナショナリズムと東京オリンピック
第七回 上野千鶴子 2025年の介護 おひとりさま時代の老い方・死に方
第八回 一色清×姜尚中 総括講義



 →『ミニ特集:日本の社会を語る本』
 →『ミニ特集:日本の社会に問題を見る本』
 →『ミニ特集:日本の社会に問題を見る本 2』
 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本』
 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 2』

 



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