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科学な本のご紹介:  メディアの性質と治安悪化神話

科学に佇む書斎
【2015/07/18】

資料置き場です。

2015年の今、数年前よりは、「社会の治安悪化不安」は薄れてきたとは思うんですが、まー、ひところは「17才」がどうの通り魔がどうのと、社会不安はひどかったですよね。















”不安をもたらす刺激が昔はなかっただけです。活動は家から行ける範囲にとどまっていましたし、一カ所への対応を学ぶ程度なら、たいていの人ができるようになります。現代社会は不安を招くのです。”
●本 『真昼の悪魔 うつの解剖学』 J・バレンジャー




リアルの生活範囲はめっちゃ平和続きなのに、メディアからは毎日「地球上のどっかこっかから」恐ろしい災害やすさまじい事件やとんでもないハプニングが「これはたいへんだ」とクローズアップされる。
リアルの生活範囲には、恐ろしい災害やすさまじい事件やとんでもないハプニングは全然なくても、メディアが「こんなに怖いことが!」と日々教えてくれる。

昭和の昔は、遠く離れた九州の通り魔事件が北海道でドカドカ報道されることはなかったし、東京の放火事件が大阪で話題にされたりみたいなことはそんなになかったと思うんだ。
(北海道の炭鉱災害クラスになるとさすがに日本中で報道されてたけど)
昔は「地元には関係のない社会不安情報」はあまり放送されてなかったと思うんだ。そのへんの報道具合も、X丁目の夕日現象に加担してると思うけど。

あとね、視聴者は「ワイドショー」を「ニュース報道」とごっちゃに考えていたりするんで、オウム事件の際にはそのへんの齟齬の大きさも問題視されて、なんか「ワイドショー」と「ニュース報道」の部署を統合するとか一部テレビ局で対策する動きがあったと思うんだけど、今はどうなっているのかな。

どんなメディア報道が、どんな心理的影響を持っているのか、視聴者減少傾向が続く中では、もうそんなことかまっている余裕はないとかしてたりしますでしょうか。

   *   *   *   *   *

以下、2012年に記した旧ブログ( テレビは社会を不安にさせますか? )の内容から抜粋。




心の健康を保ちたいなら、非常時にニュースを追いすぎるのはやめなさい
2001/11 EurekAlert! Overdosing on news can be bad for one's mental health, scholar says
 ヤバいニュースを見過ぎると、不適切なほどの不安に見舞われるおそれがある
2001/11 BBC News 'Too much news is bad for you'
 不確実な状況で不安なときは、情報収集で状況を確認すれば、不安は軽減される。
 だが、大災害や大規模テロなど、専門家でもとっさには確実な答えにたどり着けないような事態に陥ることがある。矛盾した情報、事態の悪化を予想させる情報、不確実な情報、錯綜した情報が多すぎると、かえって心の不安は増大する
 なんでもかでも情報を集めようとせず、なるたけ「信頼できる確実な情報源」からのニュースに限定して落ち着こう。


 このあたりは、テレビだけとは限りませんね。
 非常時のネット上の情報も似たようなもんだ。
 浴びすぎると、かえってパニックが病膏肓る。

それと、問題なのは報道ネタの選び方だけじゃなくて、放送の仕方。

・声を低くしておどろおどろしく読み上げる ohyo
・感情を煽るタイトルが画面の端に表示され続ける ohyo
・1000km以上も離れた土地での悲惨な出来事が詳細に語られる ohyo
・ショッキングかつ不安をかきたてるBGMで異様に盛り上げる ohyo

民放は、ニュース報道でフツウにこんな「ヒト感情を操作する」演出をやらかしてしまう。
こんなのは報道じゃないですよ。
人心操作ですよ。
意図的な飾り付けですよ。送信側が勝手に濃厚ソースの味付けをしているんですよ。

(NHKのニュースはBGMがなくてつまらない、なんて感覚になってませんか)

女性は、テロ警戒など危機感を煽るテレビ報道に特に影響されやすい
2011/10 Gender differences: Viewing TV coverage of terrorism has more negative effect on women

報道が及ぼす心理影響の性差:
テレビのテロ報道を視聴してもらったところ、女性で強く不安が惹起されました
普通のニュースでは、そんな性差は出なかったんだよ

ごく大雑把に平均すると、女性の心は感情的なストレスに比較的折れやすくできている。
リスクの情報や危険の気配などの逆境感にさらされることにより、過度の不安やうつ状態に陥る率は、女性のほうが高め。

テレビの「危険だ」情報によって、ヒトの心には恐怖や不安の感情が刻印される。
感情とは何か。
理屈を超えて、ヒトに何かをさせる、欲望のブースターだ。
おびえや不安を植え込まれたヒトは、理屈はどうあれ、何かをせずにはいられなくなる。「ヤバイよ」情報によって、低下した自己満足度をなんとか気持よくさせようと、苦し紛れのあがきをせずにはいられなくなる。

「実際には安全だ」と理屈が言ってきても、火がついた「感情」には通じない。
結果、コストや効果を無視した犯罪対策とかが横行しちゃって、さらに社会不安が増してしまったりする。
(包摂力の低下:誰かを異常者呼ばわりして「排除すれば世の中が良くなる」などの間違った思い込みが横行し、世の中の寛容度がなくなる)






”実態はないのにどうして治安悪化神話は生まれたのか。
 オーストラリアの犯罪学者グラヴオスキーが、犯罪不安は大きな経済・社会的な変動が起こっている社会において高まりやすいと指摘している。”
●本 『犯罪不安社会 誰もが「不審者」?』 浜井浩一

 **には、良い効果も、悪い効果も、ある。
 良い効果と悪い効果の両方をよく踏まえることができたものが、言論の場では優位に立つ。

 以上、資料置き場。 

 →『ミニ特集:犯罪を考える本 日本』
 →『ミニ特集:刑務所と厳罰化の影響を考える本』
 →『ミニ特集:日本の罪と罰についての本』
 →『ミニ特集:日本の罪と罰についての本 2』
 →『ミニ特集:日本の罪と罰についての本 3』

 →『ミニ特集:未来と確率、リスクの本』
 →『ミニ特集:リスクと経済、リスクと消費』
 →『ミニ特集:事故と失敗』
 



このページ 『メディアの性質と治安悪化神話』 は以上です。
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