このサイトの中を     2016年選り抜き10冊     2015年選り抜き20冊 

科学な本のご紹介:  ミニ特集:出産を文化人類学する松岡悦子さん

科学に佇む書斎
【2015/05/17】

妊娠と出産の人類学
『世界の出産 儀礼から先端医療まで』
『出産の文化人類学 儀礼と産婆』
『出産の民俗学・文化人類学』
『妊娠と出産の人類学 リプロダクションを問い直す』
『アジアの出産と家族計画 「産む・産まない・産めない」身体をめぐる政治』
『医療神話の社会学』
『岩波講座 文化人類学 第9巻 儀礼とパフォーマンス』



『出産の文化人類学 儀礼と産婆(増補改訂版)』 松岡悦子

●今も各方面で参照される労作。

科学の本座産を見慣れると、仰臥産のもつ意味がわかり、それが不自然に思えてくる。産む時の姿勢は、本来さまざまの文化で、立つ、しゃがむ、座るなどの垂直な姿勢がとられていた。


 ┗ あお向けのお産は、「医者にとって便利」なのであって、妊婦さんや赤ちゃんにとってはもしかしたら「?」な姿勢。医者(近代の医療システム)が関与しなければ、あお向けで産む、という習俗は広まらなかったんじゃないかと。

この本をはじめとして、下記にもいろいろあるように、松岡さんは産科医療・出産の文化・お産の民俗関係のスゴ本を多数出していらっしゃいます。


●書影
『岩波講座 文化人類学〈第9巻〉儀礼とパフォーマンス』
 青木保 編 岩波書店

●松岡悦子「テクノロジー社会の病院出産:現代の通過儀礼」所収

科学の本かつて妊婦を文字どおり身二つにし、その後の統合儀礼でも大きな役割を果たしていた「産婆」という通過儀礼の中心的人物が、いなくなってしまった。

科学の本現代の出産場面でも、通過儀礼としての象徴的な倒置がみられる。シーツで全身を覆われ、赤ん坊の出口だけ見せることは、通常隠すべきところを逆に見せて、人に見せて良いところを隠していることになる。






●きっちりとした大枠を据え付けてからの説き明かしで、安心してこの大事なテーマについて、厚い経験に裏打ちされた濃い論考を読むことができる。
 どうして今、お産がこんなことになっちゃってるのか、「現代の常識」というとても賞味期限が短い不思議な色眼鏡をはずして、見なおしてみよう。

こちらで紹介
→●本『妊娠と出産の人類学 リプロダクションを問い直す』



『世界の出産 儀礼から先端医療まで』
 松岡悦子・小浜正子 編 勉誠出版

ohyo世界各国の出産現場における、制度や実体験や問題調査が、実にたくさんぎっちり濃厚に列挙されていてギョッとする。ヨーロッパの**国でお産をするハメになったら恐ろしい目に遭うんだな!とか、うわ、お隣りの国はこんななってんだ!とか、かなりドギマギしながら世界各国の医療事情、文化事情、社会事情についてのお勉強ができます。
 一部、トンガリすぎている「女側の物言い」もあるが、男の書き手がほとんど参加していないゆえの突っ走り、だろうか。てか、男の書き手が少なすぎるですよ。。

科学の本菊地栄 ”出産施設によるサービスを利用し、享受する当事者の行動は、社会学者ヴェブレンの言う「これ見よがしの(顕示的〕消費」であると指摘する声も聞かれる。当事者にとって出産は生涯に一〜二回の体験であり、結婚式にも匹敵する自らが主役の大いなるイベントだ。出産は苦痛やときには危険性も伴うが、だからこそ気に入った施設で自分の望む出産法で出産し、産後の環境を快適に過すという消費行動に意味をもたせる必要があり、現代社会の「儀式におけるこれ見よがしの消費」となりうるのである。”

科学の本菊地栄 ”かつては「おなかを痛めた子」という情緒的表現があったが、麻酔分娩・帝王切開が増えるにしたがって、「おなかを痛める」ことは子どもへの愛情の象徴ではなくなってきている。”




『アジアの出産と家族計画 「産む・産まない・産めない」身体をめぐる政治』
 小浜正子・松岡悦子 編 勉誠出版

●ナマナマしくもドライな分析が、こづくりにまつわる夢ファンタジー自己慰撫ナラティブをゾリゾリ削ぎ落とす。

こちらで紹介
→●本『アジアの出産と家族計画 「産む・産まない・産めない」身体をめぐる政治』





『出産の民俗学・文化人類学』 安井眞奈美 編 勉誠出版

●日本の戦後発祥(!)の「水子供養」ブームが、80年代に韓国に飛び火して定着した経緯とか、超面白いのだ!
 この本では、上掲『妊娠と出産の人類学』でも言及のあるハンガリーでの調査を報告しています。

こちらで紹介
→●本『出産の民俗学・文化人類学』


 →『ミニ特集:妊娠やお産の文化・社会面についての本』
 →『ミニ特集:不妊治療、生殖技術についての本 温故知新』
 →『ミニ特集:不妊治療、生殖技術についての本 2』

 



ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
極上の読書体験を
2010年開始。
2013年に突如運営上の問題に見舞われましたが、 皆さんからの支えをいただき、 生き延びることができました。
→2013年の存続の危機
→カンパ応援の数々
その後もTwitter周辺のネット環境激変荒波はハンパなく、かろうじて踏ん張る日々が続いております。

Twitter:@endBooks
botではなく手動です。

連絡窓口:メールフォーム


マジです!感謝です!

便利です!yata


メニュー

科学の本 読書に便利なリンク集
┗ 図書館ネットや
  安い古書情報



科学に佇む3000冊
●twitter 科学に佇む