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科学な本のご紹介:  天皇と葬儀 日本人の死生観

科学に佇む書斎
【2013/12/31】



科学の本『天皇と葬儀 日本人の死生観』

遺言を覚えていてもらえずに土葬にされてしまった天皇。
死んだことをしばらく秘密にされた天皇も。
業務の都合上、ケガレをかぶる役人、かぶらない役人。
皇統を巡って何重にも錯綜する工夫創作のミルフィーユ。

天皇の歴史が、こんなにあからさまにごっちゃごちゃだったという事実が、平易に、しかも、へぇ〜いっぱいでズンズン読めてしまう。
怪異や日本史、民俗呪術について基礎知識があるほうがより楽しめるけど、日本史入門者でもよい勉強になる情報たっぷり本。

科学の本現在、戦前の皇国史観のように初代の神武天皇が即位したといわれる紀元前660年を天皇の始まりと信じている人はほとんどいないだろう。紀元前660年は縄文時代であり、天皇はおろか統一国家さえなかった。

科学の本歴代天皇で初めて火葬されたのは8世紀初めの持統天皇だ。土葬は江戸時代の17世紀半ば、後光明天皇以降に慣例化し、17人連続で行われている。それ以前は火葬のほうが通例であった。

科学の本『日本書紀』には「一書にいう」という形で、本文以外に多くの異伝が載せられている。
 異伝では、アメノワカヒコの葬儀には、このほかモノマサ(死者とみなされ、死者の代わりをする)、ワタツクリ(棺の動揺を防ぐため、綿などで詰め物をする)、シシビト(死者に供する獣肉を料理する)などの役職名が見える。

科学の本淳和は歴代天皇のなかでも、最もラディカルな方法で葬られた。元正天皇以来の火葬を復活させただけではなく、なんと遺骨を山中に散骨させたのだ。史上このような葬送を行った天皇は淳和のみである。


リンク 淳和天皇 - Wikipedia
 ┗ 淳和上皇自身の意向により散骨。(平安時代) 山陵を築く事は禁じられていたが、幕末に大原野西嶺上陵と称する陵が築かれてしまった。

※ 火葬にしてくれと遺言したのに土葬された天皇もいる。

科学の本明治維新で千年以上続いた皇室と仏教の関係が断ち切られ、葬儀のほか即位礼を含めた皇室儀式は西欧王室の影響を強く受けたものになった。

科学の本天皇の葬儀は凶事であるため、とくに絶対天皇制時代の明治から昭和前期は論じること自体がタブーであった。

科学の本統治モデルが「天皇」しかない日本では、あらゆる政権が天皇制のエピゴーネン(模倣者)となり、トップが象徴化する宿命にある。





 


『天皇と葬儀 日本人の死生観』
 井上亮
 新潮選書
 新潮社
 


『天皇と葬儀 日本人の死生観』は、2014年に拝読した400冊中のベスト3に入ります。

今まで色々死生観系の本は拝読してきましたが、この本『天皇と葬儀 日本人の死生観』は、新聞記者さん(皇室担当記者)が既存の見解全部総括してくれてるような逸品で、とても便利。
皇室担当という立ち位置と、現天皇の葬送意向表明という時流の中で著された本ですので、民衆の死生観(サブタイの日本人の死生観)についての記述は薄いです。

民衆の死生観についてはこちらが濃厚。
 →『ミニ特集:日本人の死の民俗学 いろいろ』

 →『ミニ特集:天皇と日本神話と古墳をめぐる』
 →『ミニ特集:天皇と天皇家』

 →『ミニ特集:新聞記者経験者はもしかしてスゴイ』

 



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