冷えと肩こり 身体感覚の考古学

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『冷えと肩こり 身体感覚の考古学』
対人恐怖症や肩凝り、更年期障害… いわゆる「文化依存症候群」。
この本では、「冷え性」や「肩凝り」を中心に、日本文化と病の形について、比較的焦点広め浅めに論考が綴られる。
江戸時代は、現在のような医師免許制度はなく、誰でも自由に医者の看板を掲げて開業することができたから、医者の持っている医学知識や医療技術のレベルは千差万別であった。
大石慎三郎 ”徳川家康が江戸に幕府を開いた江戸時代初期は、社会投資、つまり巨大インフラ整備が行われたわけで、そのためには巨額の投資が行われ、多くの土建業者が巨万の富を築いた。”
北中淳子 ”本来、天地を満たし、身体をめぐる生命エネルギーだった中国の「気」は、近世日本ではしだいにその宇宙論的な意味を失い、「心」と同じ意味のことばへと変わっていった。”
日本で脚気が流行しはじめるのは、江戸時代のことで、「江戸煩い」とか「大坂腫れ」と呼ばれたことからもわかるように、精白米を多食する大都市で流行した。
”江戸時代になると白米が好まれ、玄米が嫌われたため、江戸ではビタミンB1欠乏症である「江戸わずらい」が流行した。” http://t.co/IwmYHBBErY 『栄養学を拓いた巨人たち 「病原菌なき難病」征服のドラマ』杉晴夫
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2014, 9月 26
白杉悦雄『冷えと肩こり 身体感覚の考古学』。「冷え」や「肩こり」など日本特有の症状の由来をさかのぼり、さらには「癪」のように時代の中に消えていった病の姿を取り上げ、日本人が病とどのように付き合ってきたかを探る一冊。結局「冷え」「肩こり」の正体を暴くまで至らないのがもどかしい。
— 吉村尚紀 (@nyoshim) 2014, 12月 5
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『冷えと肩こり 身体感覚の考古学』
白杉悦雄
講談社選書メチエ




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