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科学な本のご紹介:  「腹の虫」の研究 日本の心身観をさぐる

科学に佇む書斎
【2012/07/06】



科学の本『「腹の虫」の研究 日本の心身観をさぐる』

すごい好事家が寄り集まったもんだ。
強烈な合理的ざっくり解釈で料理される「虫」(昔の病因論)の数々!
大味な切って捨ては、合理的解釈のあまりに、本書で指摘される「顕微鏡の奥に虫の姿を見た!」現象と同じ機序が発生しているような気もしてくるほどだけれど、過去研究の委細がどうのとまでは気にしない読み手には、このくらいざっくりパッキリしているほうがわかりやすくていいのかもしれない。

とはいえ、この本は、ものっそい分厚い大著だから、根性で読んでね!

科学の本江戸時代には、「虫因性」と考えられていた病症が多くあった。医家たちは、人身中に住む「虫」が引き起こす病を「虫証」と呼んだ。

科学の本江戸時代には、人が声を出すと、それに反応して体内の「虫」が言葉を発するという、不思議な病気が知られていた。その名を「応声虫 おうせいちゅう」と言う。


リンク 応声虫 - Wikipedia

科学の本興味深いことに、近代ヨーロッパにおいて考えられた概念「同時性二重人格」と類似の病態「重魂病」を、わが国の近世において安藤昌益(1703〜62年)が独自に記載、命名していた。

科学の本「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」の「七情」が多くの病変の重要な「病因」となるとされた。和・漢の伝統医学では「喜」も有害性を持つものと考えられていた。

科学の本身体症状と精神症状が複雑に混ざりあう病態を見せるのは、「虫証」に限ったことではない。ことに裾野の広い疾病概念を持つ疾患は常にそうなのである。
 そもそも身体症状と精神症状に区分する見方自体、心身二元的な視点である。




 


『「腹の虫」の研究 日本の心身観をさぐる』
 長谷川雅雄,辻本裕成,ペトロ・クネヒト,美濃部重克
 南山大学学術叢書
 名古屋大学出版会
 


南山大学の有志四人(精神医学、国文学、人類学)が、13年かけて調べ書きためた成果がこの一冊。
「あとがき」に、リーダー格の美濃部先生が本書完成前に鬼籍に入られたという「うわあああっ」なドラマがちろっと記してあって愕然としたり。

本書は、2014年に拝読した400冊中のマイベスト入りの一冊です。

読み合わせには、江戸時代当時のコスプレ絵巻あれこれが楽しい
→●本『絵で読む江戸の病と養生』 酒井シヅ
がオススメ。
(江戸時代のチラシには、病の擬人化!医薬の擬人化!妖怪いっぱい!)





 →『ミニ特集:医学で歴史を温故知新する本』
 →『ミニ特集:文化依存症候群を考える本』

 →『ミニ特集:医療人類学』

 



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