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科学な本のご紹介:  出産の民俗学・文化人類学

科学に佇む書斎
【2014/06/06】



出産の民俗学・文化人類学『出産の民俗学・文化人類学』 

年間拝読ベスト本入り。
日本の戦後発祥(!)の「水子供養」ブームが、80年代に韓国に飛び火して定着した経緯が興味津々!

「出産」なくしてはこの世に存在し得ない我々であり、ものすごく重要な生存イベントである「出産」なんだけれども、我々の「出産観」は、近代だけでもこんなにコロコロ変化していた。…って、そもそも把握できてますか?

科学の本飯島吉晴 ”奄美、沖縄地方に多かった事例:男児が生まれた時は女児が生まれたといい、女児が生まれた時は男児が生まれたという。正しく言ってしまうとヤンバズイ(悪魔)が来てヌク(呪い刺す)という。”

科学の本板橋春夫 ”産屋(うぶや お産の女性がこもる特別な小屋)は、西南日本の海辺に濃い分布を示し、年齢階梯制を伴う寝宿、双系的傾向、足入れ婚、別居隠居制などの文化要素との分布の一致が見られる。”





科学の本飯島吉晴 ”日本の俗信では、兎唇と双子は、「境界・裂け目」「分割・分裂」の観念を通して結びついており、兎唇は身体の一部が裂けたものであるのに対して、双子は身体全体が分割されたものと捉えられている。”

科学の本飯島吉晴 ”「火傷には女陰に傷所をふれるといい」(滋賀県西庄村)、「火傷の患部を女の人の股にはさむとよい」(大分県緒方町)、「産婦が火傷を見ると、見られた火傷は全快する」(長崎県)などの女の象徴である女陰と火傷を結びつけた俗信がある。”

科学の本飯島吉晴 ”岩手県盛岡市での事例:一姫二太郎といい初子は女児を好む。初子が男児だと、父親と共存せず一方が早く死ぬといわれ、初子が男児だと里子にやるか神仏のオトリコ(取子)にして神仏に献ずる。”


目次
1 自宅出産から病院出産ヘ
出産環境の変容 -- 〈第三次お産革命〉のために 安井眞奈美
産屋習俗にみるケガレ・共助・休養 板橋春夫
出産が unhappy な体験となるとき 松岡悦子
現代のお産と、伝えられてきた智恵 堀内みどり
助産師として40年の雑感  梶間敦子

2 儀礼と異界
産育儀礼と性の逆転  飯島吉晴
胞衣をめぐる状況の変化と意識変容 濱千代早由美
水子供養 -- 胎児生命への視座  鈴木由利子
海を渡った日本の水子供養 -- 民間信仰の日韓比較 魯成煥
幼子の死と弔いの形 川村邦光

3 子どもとの関わり
先祖から名前をもらうこと -- 日本とフランスの比較より ガランス・デュクロ
母親の子育てする時間 -- 岩手県二戸町のフォールドワークより・ミケーラ・ケリー
離島および地方都市における子育て環境の特徴 -- その優位性と問題点 靍理恵子
外国人市民の出産・育児 -- 医療サポートボランティアの活動から 中本剛二
臨床心理学からみた出産・子育て、その支援 菅野信夫
名付けのかたち -- 家の名を継ぐ 柿本雅美

4 出産の近現代を振り返り、未来ヘつなぐ
いのもの物質主義的認識からの脱却 波平恵美子
天理教と出産 飯降政彦
【総合討論】出産の近現代を振り返り、未来へつなぐ



『出産の民俗学・文化人類学』
 安井眞奈美 編
 勉誠出版
 


本書『出産の民俗学・文化人類学』にも参加している松岡悦子さんが、本書と同時期に、尖った著作
→●本『妊娠と出産の人類学 リプロダクションを問い直す』
を出版なさっていて、これぜひ併読オススメ。

本書『出産の民俗学・文化人類学』も『妊娠と出産の人類学』も、2014年に拝読した400冊中のマイベスト入りです。

 →『ミニ特集:妊娠やお産の文化・社会面についての本』
 →『ミニ特集:出産を文化人類学する松岡悦子さん』
 →『ミニ特集:不妊治療、生殖技術についての本 温故知新』
 →『ミニ特集:不妊治療、生殖技術についての本 2』
 →『ミニ特集:民俗学と文化人類学のフュージョン』
 →『ミニ特集:民俗学系の本はこんなにいろいろ 』
 



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