はじめての土偶


『はじめての土偶』
いまどきのゆる編集なんだけど、それが「土偶」というおどろしい存在をほんわかと包んでくれていて、意外に好感度の高いステキなムック。
紙面も写真も大きくて、愛蔵にもオススメ。
「土偶」は縄文時代に作られた人物を模った土製品です。それに対し、「埴輪」は古墳時代に作られ古墳(お墓)の上に並べて置いた土の焼き物です。
土偶は自然の恵み、安産、再生などを祈願する目的で作られたと考えられますが、埴輪は古墳に埋葬された故人の権威を示すもの、死者の霊にささげるものとして作られ始め、後に葬儀の様子を示す物に変化していきました。土偶はそのほとんどが女性を表現していると考えられている。縄文時代の動物土偶にも多産を象徴するイノシシ等の動物土偶が見られるのは、子孫繁栄がいつの時代でも最も大切だったことを表しているのかもしれない。
"Dogū of Jōmon Venus" by Takuma-sa - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
土偶の修復には特に注意を払います。というのも、土偶はバラバラに壊されていることに意味があると考えられており、縄文時代に暮らす人々が意図をもって破損させていたという説があるからです。
発掘されるものは、必ずどこか壊れている。土偶とは最初から壊されるために作られた悲しい人形なのである。
土偶は奇怪な容貌のものが多い。縄文人特有の犬歯を抜く抜歯が表現されていたり、頭部にカマボコ形の竪櫛(たてぐし)がたくさん飾りつけられていたり、耳たぶに穴を開けて挿入する鼓形の耳飾りが表現されていたりする。
外見的にはデフォルメが激しいものの、身体変形や装飾品等に縄文人特有の要素がみられることから、そこに表現されているのは、まさに縄文人そのものの姿なのである。
"Late Jomon clay statue Kazahari I Aomoriken 1500BCE 1000BCE" by PHGCOM - 投稿者自身による作品, photographed at British Museum. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
梅原猛”土偶は完全な形では見つかったものはありません。全ての土偶は必ず破壊されていて、手と足がバラバラです。博物館には修復されているものもありますが、本来、土偶はバラバラにされるべき運命にあったものと思われます。” http://t.co/BjtgjHXF4Z 『縄文人の世界』
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2014, 6月 2
国宝展行った時に買ってきた、はじめての土偶って本が面白い。ついつい半分ほど一気読みしてしまった。妄想が捗るね(?)
— かな (@minamotokana) 2014, 11月 24
「はじめての土偶」の著者、譽田亜紀子さんご来店です。この本面白すぐる。 pic.twitter.com/fVYssMpMQy
— 平川克美 (@hirakawamaru) 2014, 9月 28
「はじめての土偶」読ませてもらったけど、土偶の多彩な姿や女性を模した独特のディテールなどを眺めているだけで貴重な休み時間が潰れる上、授業中にも土偶のことが頭から離れずまったく集中できなかったので、インパクトだけは凄まじいと思います。煽り文も腹筋を鍛えるのに最適です。
— ざ わ わ (@burgundy723) 2014, 10月 14
