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科学な本のご紹介:  女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学

科学に佇む書斎
【2013/04/07】



科学の本『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』

日本では、女性のホームレスはめちゃめちゃ少ない。加えて、女性のホームレスについての研究は、さらにさらに少ない。
 なぜこのような男女差が生じているのか。その原因は、たいへん広く、深く、根深い。
 どんな偏りを、この社会は「あたりまえ」としてしまっているのか、よく考えてみよう。

科学の本女性がホームレスへと排除されるメカニズムについて、住宅市場や福祉政策のなかに見られる望ましい家族観や女性像が大きく影響していることを明らかにした研究などがある。

科学の本女性福祉研究を牽引してきた林千代。その問題意識には、児童や高齢者、障害者といった対象者別の「縦割り」になった福祉制度では、性差別的な社会構造から発生する「女性問題」が共通したものとしてとらえられていないという苛立ちがある。

科学の本母子世帯に対する援助をすべてあわせても、母子世帯の平均年収は213万円で、一般世帯の564万円のわずか38%。母子世帯の母親の84.5%が働いているにもかかわらず。
 ここには、性別役割分業を行う家族でなければ、子どもの養育と労働の両立が難しい社会システムになっていることの問題が端的に表れている。



「平均所得の中央値はおよそ427万円である。
 中央値とは,世帯を所得の低い(あるいは高い)順に並べたとき,全体のちょうど真ん中に位置する世帯の所得額のことである。
 平均値は外れ値(極端に高いか低い値)に影響されやすいので,中央値と併記されることが多い。」
→●本 『格差の社会学入門 学歴と階層から考える』 平沢和司


科学の本女性は隠れたホームレスになりやすいといわれているとおり、独立して住居を構えることができずに、親や友人宅に身を寄せていた経験がある人も少なくなかった。

科学の本ホームレスの範囲を「定まった住居がない人」と広くとらえると、どのような人が福祉制度内に留めおかれ、どのような人が路上に排除されるのかを決めているのは、福祉制度なのである。

科学の本ケン・プラマー ”物語には語られる時機があり、それまで語られなかった物語が語られるようになるのは、それを受け入れるコミュニティが存在するようになったからである。”

科学の本彼女たちは、私にとって合理的に理解可能な、今ある研究枠組みに回収される生を生きているわけではない。そのような人間像しか想定できないことの方が、問題にされなければならないのだろう。
 そしてそうした人間像しか想定できていなかったからこそ、合理的には理解することが難しいと感じる女性野宿者のような存在のあり方が、これまでの研究から排除されてしまったのではないか。



 


『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』
 丸山里美
 世界思想社


本書はちょっと理論的な考察が多めで、初心者にはしんどい読み物かもしれません。

著者は同じく女性ホームレスの問題について、前に小粒でピリッと把握しやすい報告も出していますので、入手できるのであればこちらから読んでみるといいかもしれません。
    ↓
丸山里美「自立の陰で ホームレスの自立支援をめぐって」
(所収: 青土社『現代思想2006年12月号 特集:自立を強いられる社会』



 →『 ミニ特集:社会の格差を憂う本 』


 



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