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科学な本のご紹介:  巡礼ツーリズムの民族誌 消費される宗教経験

科学に佇む書斎
【2013/03/28】



科学の本『巡礼ツーリズムの民族誌 消費される宗教経験』

日本民俗学同様に、フィールドの宗教学も大きな転機を迎えている。その関係か、民族誌以前に、本書では民間信仰の踏まえについての理論や研究上の内外における視点・枠組みについての論考が延々と述べられる。
 四国遍路や佐渡巡礼の研究に優れた著者のツアー体験レポートも面白い。

科学の本関一敏 ”西洋の宗教概念は信仰と、信仰に裏付けられた儀礼から成っているが、日本の民衆が行う多くの宗教的実践は信仰という裏付けを欠いた、儀礼のみの慣行である。”

科学の本関一敏 ”近代日本における「宗教」とは生活世界からの脱埋め込みを行った集合体が結果的にそう呼ばれたものであり、その残余が「民間信仰」や「民俗」と名付けられたに過ぎない。”

科学の本人口・産業面で言うと、佐渡の人口は戦後直後に12万人近くを擁した時期以来、右肩下がりで推移しており、現在では約6万3000人と、多くの過疎地域と同様に最盛期の半分近くまで減少している。

科学の本よくできた巡礼ツアーとは、添乗員の経験や知見に基づいて徹底的に作り込まれながらも、作り込んだという事実、すなわち設計やその思想を決して表に出すことなく後景化する技術に基づいたものだといって良い。

科学の本世界遺産化とはいわば、ローカルな慣習や場所がグローバルな政策・制度と接触し取り込まれていく過程である。

科学の本文化遺産の成立とは、慣習的な生活世界に埋め込まれていた未分化な場所や儀礼や意味のある部分に「文化」として定義を与え、人類全体で保護すべき価値を有するものへとカテゴリー化する営為であった。

科学の本巡礼ツーリズムを運営する旅行会社では従業員が自主的に宗教的な知見を身に付け共有し、時に公認先達資格を取得するなど、旅行会社添乗員という枠を超え、宗教的職能者に近づいていく過程が見いだせる。

科学の本お遍路ツアーの添乗員さん、お客様を諭す
 「『お前が悪い』と他人を指さしたとき、残りの三本の指は自分の方を向いています。お四国では決して人を悪くいったりするものではありません。」







『巡礼ツーリズムの民族誌
 消費される宗教経験』

 門田岳久
 森話社
 


この本の前年に出た、著者も参加の同系アンソロジー『聖地巡礼ツーリズム』と読み合わせるのがオススメ。
 ●本 『聖地巡礼ツーリズム』



 →『ミニ特集:宗教と現代がわかる本』
 →『ミニ特集:宗教学・宗教心理の本』
 →『ミニ特集:宗教学・宗教心理の本 その2』
 →『ミニ特集:宗教学・宗教心理の本 その3』

 



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