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科学な本のご紹介:  2013年に拝読した400冊から「特にこれ!」10冊を選んでみました

科学に佇む書斎
【2013/12/28】

平成25年に拝読した400冊の中から、不肖中の人が「特にこれ!」を選んでみましたです。

 いやもう、2013年は「すわ @endBooks 終了!?」の危機に見舞われるなど、恐ろしく波乱な1年でございました。
 怒涛の苦境の際に、救いのクリックをほどこしてくださった方々、本当にありがとうございました。
 重ね重ね御礼申し上げます。 bow

※  2013年危機の記録

 皆さんからのご援助をよすがに、今年もいろんな科学本を拝読することができました。
 鋭意拝読した科学な書籍の数々、今年だけでも渾身の400冊!

 その中から、特に(中の人的に)インパクトが強かった本を、10冊ほどご紹介いたしてみるしだいでございます。
 選りすぐり10冊、2014年の読書予定にいかがー。


 中の人の好みはかなり偏ってたりしてますが
 (そもそも科学本ばかり貪り読むってだけでも変だぜベイベー)
 ご寛恕いただけると幸いです。



■ 今年出会ったスゴ本たち:400分の10! (順不同)



 『探偵ナイトスクープ』が生んだ稀代の言語学本!
 少し難しいくだりもあるけれど、この痛快作が、手軽な文庫で読めてしまうのはうれしい限り!
    tenki
 あなたのお住いの地域では、バカやアホの代わりにどんな言葉を用いてヲコしてますか?
 北海道では「アホ」のことを「たくらんけ」っちゅうてますんでっせー

紹介ページ科学の本 『全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路』
  新潮文庫 松本修 著 1996/11 (旧版単行本は1993年刊)




 これ、見た目だけだと絶対おもしろい本だと思えないよねw
 いや、おもしろいから!こういう隠れ面白本はめっちゃご飯が進みます!

 「らき☆すた」「あの花」、パワースポットブーム、創られた伝統、国策と神道、モヤモヤさまぁ〜ず! ほらほらめっちゃ意外でしょ!興味がわいてきたでしょ!
 学者がこっそりやってることっておもしろい!

紹介ページ
 科学の本『聖地巡礼ツーリズム』 もひとつ『聖地巡礼ツーリズム』
 星野英紀, 山中弘, 岡本亮輔 編 弘文堂 2012年11月





 「生態学界のスーパーマリオ」なんて超ないわれようをしていたスゴ教授の退官記念に作られた、とってもあったか科学アンソロジー!
 生態学方面でどよめかれていたので、期待して拝読したら、これマジ期待超高度飛行でうれしかったですよー!
 Twitterで有名なクマムシさん先生も参加してるよ!

紹介ページ科学の本『パワー・エコロジー』
 佐藤宏明, 村上貴弘 編 海游舎 2013.3




 「一行読書」という名目で、140字ツイートにおさまる箇所だけを紹介していこうとすると、どうしても「小粒のピリネタ」ばかりになってしまって、この本のような人間世界の深い知恵と滋養に満ちた大作は、うまく紹介できなくなってしまう。

 私は、この本が大好きです。
 最初、心を裂くような悲痛な言語危機の状況を知らしめてくれたのは、ダニエル・ネトル『消えゆく言語たち』でした。
 以来、言語多様性消失問題についての本をいろいろ追ってきているけれど、当該書はその中でも出色に、濃い。深い。厚い。

紹介ページ科学の本『危機言語 言語の消滅でわれわれは何を失うのか』
 地球研ライブラリー ニコラス・エヴァンズ 著 京都大学学術出版会  (2013/2)




まず、この本の内容と合わせて踏まえておいて欲しいのは、
 ヒト集団においては、逆境感(格差)が広がると…

● 親しくつきあえる仲間と感じる相手が減り (※) 、不安感を攻撃行為によって解消しようとする貧困層が増える。
 何かと「敵や搾取者がいるはずで、そいつをやっつければ万事解決」的な敵対妄想で繰り広げられる排他行動は、実際にはさらに自分たちの格差(逆境感)を広げることになる。

● 格差が広がると、状況コントロール感を剥奪される貧困層の人は「貧しくなるのは本人のせいであって社会のせいではない」と考えるほうが心理的にラクになる(※)
 格差を広げた社会の仕組みを問題視するよりは「貧困に陥る個人のほうが悪いのだ」と、正義ぶって逆境者どうし込みで攻撃行動を強める結果、さらに格差(自分たちの逆境感)を悪化させるハメになる。

 そんな愚かな”人心反応あるある”に陥ることを防ぎ、我々一人一人を救う試みが、この本には記してある。
 そう読んで欲しい。

紹介ページ
科学の本『罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦 隔離から地域での自立支援へ』
 浜井浩一 現代人文社 2013/02




 昔、原発はものっそいヤバくて危ないもんだとしてみんな一所懸命に反対してたんだ。あちこちで勉強集会なんかも開かれてたんだ。
 それが、いつのまにか、「あれ、みんなぬるくなっちゃって、なに、原発ってもう安全なものとしてスルーされちゃってんの?」と、わけのわからない変化をしていた。
 そして、震災。

 それと何か、デジャブするんだ。

 日本文化には全然そぐわない「うつ病」概念。
 それが、いつのまにか、「あれ、みんなキャンペーンはっちゃって、なに、うつ病って、もうふつうに「心の風邪」として薬飲むのが当たり前とされちゃってんの?」と、怒涛の変化をしていた。

 ヒトは逆境感に見舞われると、生育過程で学習した逆境反応を発揮する。
 新型うつ病にしても、「見知らぬ冒険世界/ゲーム/ネットで逆境感に見舞われたらこう行動するものだ」と生育過程で深く刷り込まれた行動反応をすなおに発揮しているだけにすぎない。
 文化心理学と文化依存症候群にいろいろ思い入れがある中の人としては、この本をめぐっては書きたいことどもが鬼山積しているのだけれど、ブログやめたんで、これだけにとどめて口チャック。

紹介ページ科学の本 『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか』
 イーサン・ウォッターズ 著 紀伊國屋書店 2013/07


●美術品を10倍長持ちさせる本  『美術品を10倍長持ちさせる本』

 もはや入手が難しい本だけれど、図書館にはありそうなのでチェキしてみると吉。
 有名な画家の日本画作品にあこがれていて、でも、高価すぎて絶対買えないし、でも、万一なにか間違って手に入ったら幸せかもしれないーなどと、ぐるぐるめぐる虚しい妄想にとどめを刺すために、「美術品の保管の仕方」を見ておきたくて、その道で評判の高いこの本を拝読してみたのであります。

 結果、この本には大感謝であります。
 我が家では、高価な日本画作品はまともに保管できません! うん、あきらめた!
 ありがとうこの本!
 たくさんの美術品を救ってくれこの本!

紹介ページ科学の本 『美術品を10倍長持ちさせる本』
 日経アート 日経BP社 1996/03




 ニール・F.カミンズの「もしも」宇宙3部作を代表して、こちらの一冊。
 特に特に、メスクリン(!)をご存じの方には機銃掃射してみたいほどのオススメ!
 中にメスクリンが登場するわけではないのですが、同系列の天体シミュレーションがもういやんなるほど堪能できて楽しいったらないw

 いいわー。この先生いいわー。

紹介ページ
 科学の本 『もしも月がなかったら ありえたかもしれない地球への10の旅』
 ニール・F・カミンズ 著 東京書籍 1999/07
 科学の本 『もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き』
 ニール・F.カミンズ 著 ソフトバンククリエイティブ 2008/04
 科学の本 『もしも月が2つあったなら ありえたかもしれない地球への10の旅 Part2』
 ニール・F.カミンズ 著 東京書籍 2010/09

  




 同著者のルポ 『救急精神病棟』 がどうにも忘れがたく心に残っているので、さらに評判の良いこの本を選んでみたところ、またもやガッツリ心奪われー。
 いいです、すごいです。 ワタシ叱られてみたいです。

紹介ページ科学の本『調べる技術・書く技術』
 講談社現代新書) 野村進 著 講談社 2008/04


2013年、中の人が拝読した中のマイ至高本は、

こちらの『千本組始末記』でした。




 はっきり言って、科学本じゃないです。
 日本近代史、映画史、裏社会研究、なんかそんな系列の、すごい量の取材を元にして描き上げられた、大部かつなんとも丁寧な、実在人物のノンフィクションです。
 長らく絶版していて伝説の書になりかけていたものが、このたび装いも新たに大手出版社からみごとに復刊!

 いやもうこれがね、タイムリーというか、今世代にアピールするには「これ『有頂天家族』のリアル版だ!」ですぐわかってもらえそうな、京都・ファンタジー・活劇・渡世、あの味がバリバリなんです。
 昔世代には、あの俳優が、あの映画が、あの時代が!と琴線ビンビンだし、中っくらいの世代には、映画黄金時代〜テレビ黎明期の記憶+ワンピース的任侠仁義の「イイ話」が突っ走ってて、うん、好きです、詳しいこと書くと長くなっちゃうけど、要するに、大正〜昭和のアウトローとエンタメ世界のどまんなかを突っ走った、一人の男の物語なのです。

紹介ページ科学の本 『千本組始末記 アナキストやくざ 笹井末三郎の映画渡世』
 柏木隆法 著 平凡社 2013/10

 ああ染みるっ! リアル有頂天家族世界を温故知新!


400冊から10冊だけ選ぶのはキツイです。ギリで含められなかった本にはこんなのがありました。
●本 『すごい宇宙講義』
●本 『裁判員のための記憶と証言の心理』
●本 『微化石 顕微鏡で見るプランクトン化石の世界』
●本 『鳥類学』
●本 『魚のとむらい 供養碑から読み解く人と魚のものがたり』
●本 『アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語』
●本 『越境する日韓宗教文化 韓国の日系新宗教 日本の韓流キリスト教』
●本 『カビ図鑑 野外で探す微生物の不思議』
●本 『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』


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 以上でございます。

 さすがに400分の10ともなると、「うわー、10個なんかに絞り切れない」わけで、ほかにもあれもこれも「読むべきだ!」本はたくさんたくさんたくさんで、それらはおいおい @endBooks で流れていきますので、ここはこの程度でどっとはらい。

 今後ともどうぞ @endBooks をご贔屓によろしくお願いいたします。
 読書感想ブログをやめてしまったので、この場でささやかに鬱憤晴らしなのでした。




 先週 @endBooks が紹介してバズった『呪術意識と現代社会』を、 荻上チキさんがラジオで取り上げる など、今もいろいろなハプニングが発生し続けている年末でした。





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本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
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→2013年の存続の危機
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