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科学な本のご紹介:  ミニ特集:礫川民俗学の本

科学に佇む書斎
【2013/09/06】

独学の冒険

『隠語の民俗学 差別とアイデンティティ』
『生贄と人柱の民俗学』
『穢れと差別の民俗学』
『性愛の民俗学』
『男色の民俗学』
『ワザと身体の民俗学』
『左右の民俗学』
『身体とアイデンティティ』
『異端の民俗学 差別と境界をめぐって』
『犯罪の民俗学 明治・大正・昭和犯罪史から』
『犯罪の民俗学2 遠野の深層からオウムの心象へ』
『戦後ニッポン犯罪史』
『アウトローの近代史 博徒・ヤクザ・暴力団』
『史疑 幻の家康論』
『独学の冒険 浪費する情報から知の発見へ』

礫川(こいしかわ)先生の頭の中は、今の日本人がポロポロ健忘症に忘れ去ったり捨て置いてしまったような近代日本の興味津々エッセンスが博覧強記にてんこ盛り!
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『隠語の民俗学 差別とアイデンティティ』
 礫川全次 河出書房新社

●民俗探偵みたいな礫川薀蓄と推理がおもしろい!

科学の本「隠語」という研究分野は、どんな若手でも、どんな素人でも、思う存分に研究ができ、誰はばかることなく自説を発表できる分野なのである。

科学の本隠語形成の例:文字の構造に因るタイプ
 女→ くのいち
 無料=只→ ロハ
 惚れた→ ホレタ→ イチボウチョンチョンボウハネテクチョン






『生贄と人柱の民俗学』
 礫川全次 編著 歴史民俗学資料叢書 批評社

●かなり強烈な資料集。
 強烈と言っても、生贄と人柱的に強烈なのではなく、柳田-南方当時の書面をまんま、当時の民俗学研究者間の確執をまんま、なまなましくゴロリと復活(反魂!?)させてしまっている強烈さ。
 大正時代など昔の古書書面を活字や印刷のかすれなどもそのままに転載した資料集で、(一般人にとってみれば)ほぼ怪書。初心者にはおすすめしません。

科学の本「松童神」、「松浦小夜姫」が収録されている「郷土研究」の第四巻第十二号(一九一七年三月)は、同誌の最終号である。
 この最終号は、柳田国男が単独で編集しており、また、収録されている全ての文章は柳田の手になるものである(柳田は、同号で十四種のペンネームを使い分けている)。



歴史民俗学資料叢書:古今のナマ資料を収録し、礫川先生が解説と薀蓄を添えてくれている好事家喜ぶお宝本シリーズ。


科学の本差別の本質は、「ケガレ」ではない。差別感情があって、差別の理由が見つからないときに、「ケガレ」という実体のない観念が想起されるというだけのことではないのか。

こちらで紹介  ●本 『穢れと差別の民俗学』礫川全次 編




『性愛の民俗学 歴史民俗学資料叢書』礫川全次 編

●旧来の日本に見られたさまざまな性愛習俗について、古今の資料を集めて紹介してくれているありがたいご本。




『男色の民俗学』 礫川全次 編

科学の本近代以前の日本の歴史において、男色は賞賛され肯定されることはあっても、批判され否定されることはほとんどなかった。


こちらで紹介  ●本 『男色の民俗学』礫川全次 編




『ワザと身体の民俗学』
 礫川全次 編 歴史民俗学資料叢書 批評社

科学の本北沢一利氏の ●本『「健康」の日本史』 によれば、江戸時代までの日本人にとっては、体を動かすことは、有害なこと、あるいは「苦行」として捉えられていたという。
「身体に適度な負荷を与えることは健康によい」、すなわち労働や運動が体にとって有益なこととする健康観・身体観は、明治以降になって普及した「西洋的」な考え方だったのである。






『左右の民俗学』
 礫川全次 編 歴史民俗学資料叢書 批評社

●古今様々な論者のテキストを集めた資料集。
 右・左、と空間が把握された時点ですでに発生してしまう<呪>や<色>、恐れ。<呪>や<色><力><気配>がすべてを支配する中で一生を暮らす。そんな世界に思いを馳せて。

科学の本古来日本では、向かって右(本人から見て左)が優位であった。これは「尊左」の思想を反映するものであり、当然、儀式における天皇・皇后の並びかたも、向かって右(本人から見て左)が天皇、向かって左が皇后であった。





これら「歴史民俗学資料叢書」の巻毎に収録されている編者こいしかわさんの楽しい薀蓄エッセイは、のちに『身体とアイデンティティ』という単著にまとめて収録されています。


『身体とアイデンティティ』 歴史民俗学資料叢書 解説編 / 礫川全次

●書き下ろしのサンショ言葉考察がまた楽しい。
 かすかな情報の気配に、指一本で身体全体のクライミングをやってのける過去へのフリークライマー!
 かっこいい。



科学の本大正14年の皇居二重櫓白骨死体事件:関東大震災で壊れたやぐらの土台部分から21体の白骨死体が出土。



こちらで紹介
●本 『異端の民俗学 差別と境界をめぐって』礫川全次


この箇所へのリンク

『犯罪の民俗学 明治・大正・昭和犯罪史から』
 礫川全次, 畠山篤, 田村勇 著

科学の本畠山篤 ”堕胎(妊娠中絶)は西国と都市部に多く、間引き(新生児殺し)は東国と田舎に多かったという。西国や都市部は東国や農村部に比較して富裕で医療施設も整っていて、早めに手をうてたのである。”



 →『ミニ特集:妊娠やお産の文化・社会面についての本』






『犯罪の民俗学2 遠野の深層からオウムの心象へ』 礫川全次 編





『戦後ニッポン犯罪史』 礫川全次

当時輸血用の血液は、ほとんど「売血」によってまかなわれていた。(昭和三八年=一九六三においては売血が九七・五%)
 ライシャワー大使に輸血された血も、こうした売血者の血だったわけで、大使は肝臓を痛めたのである。
 なお、この年の五月から「朝日新聞」は売血問題についてのキャンペーンを開始する。売血者の実態を報じ、血液銀行の内実を暴露した。売血者の血液(当時「黄色い血」と呼ばれた)の危険性についても訴えた。
 このキャンペーンは強烈に効いた。献血運動が広がり、売血率は急速に低下してゆく。







『アウトローの近代史 博徒・ヤクザ・暴力団』
 礫川全次 平凡社新書

科学の本スリに時計を掏られた場合、その価格に見合う現金を警察に渡せば、なぜかその時計が戻ってくる。これは当時、静岡警察署に限らず、どこにでもあった話らしい。(スリ社会と警察の癒着)




『史疑 幻の家康論』 礫川全次 批評社

●2000年刊をさらに増補。
 怒涛の社会変革が続いた幕末〜明治の時代、上流階級に食い込んだ下層階級人が少なからず政治的権力を握り、日本を動かしていた。そのような中では、おえらいさんがたの出自の調査・記録や、社会階級の研究を行うことは非常に困難だった。
 強いタブーの中、当時の「成り上がり政治屋」の存在に対するあてつけとして編まれた一冊の怪書が、時空を越えて人々の耳目を集めたのだった!

科学の本武士の社会というのは、今日からみれば、かなり極端な序列社会であり、上層の武士(上士)と下層の武士(下士)との聞には、断絶とも言いうる格差があった。福沢諭吉の『旧藩情』によれば、中津藩においては上士と下士とで「言葉」まで異っていたという。



礫川全次さんのほぼ日刊怒涛のうんちくブログ o
 リンク 礫川全次のコラムと名言



『独学の冒険 浪費する情報から知の発見へ』
 礫川全次 批評社

●そんな怒涛の市井研究者礫川全次先生から、今度は独学沼へのご招待本なんてのも出てしまっております。

科学の本独学はあくまでも「学問」であり、「学問」である以上は学問的でなければならない、というのが本書の立場です。「独学」の名に甘えて、学問の世界から逸脱した奇説・珍説を振り回すことは許されません。独学者であるからこそ、「学者」やプロの研究者以上に努力し、学問的な検証に耐えうる研究を目指す必要があるのです。


 近代に名を輝かせている数々の日本の独学研究者さんを紹介し、初心者向けの独学のやり方Q&Aコーナーも完備。

…実際には、狂気に斃れた独学者の痕跡はネットに累々としているし、独学つらいよ独学苦しいよ独学自滅コースだよ と脳内で叫びながら拝読した独学者ですが。

 礫川さんのフィールドは、古書や古文書から掘り出す、意外な日本近代史エピソードの数々。
 だもんで、『独学の冒険』を掲げてやさしく手取り足取り独学の道へとお誘い下さっている本書ですが、言及される範囲は徹頭徹尾ガチガチの文系な独学のお話であって、現代的な理系開発や生物観察や医学検証とかの独学については視野外に消えています。
 この点はお覚悟の上で、手にとってみてください。


→『ミニ特集:民俗学系の本はこんなにいろいろ 』
 →『ミニ特集:昔の日本についての本:近代-1』
 →『ミニ特集:昔の日本についての本:近代-2』
 →『ミニ特集:昔の日本についての本:近代-3』

 
  



このページ 『ミニ特集:礫川民俗学の本』 は以上です。
ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
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