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科学な本のご紹介:  縄文土偶ガイドブック 縄文土偶の世界

科学に佇む書斎
【2014/01/31】



火焔土器Wikimedia『縄文土偶ガイドブック 縄文土偶の世界』

評判の科学推理本!
「ふうん、ガイドブックなのかー」と読み始めると、ガイドどころか、大胆な著者の推理が展開されていて「ナニコレすごい」展開に。

科学の本立体の中実土偶の「ソケット式」と「芯棒接合式」という製作技術的な分類は、「土偶は壊れてもよいように作られている、いやむしろ壊れやすく作っているのではないか」という仮説から注目されている視点です。

科学の本中部地方には縄文後期初頭、きわめて限定された範囲に「仮面土偶」があらわれます。
 太くふっくらとした胴部、脚も大きく安定しています。当時流行の磨消(すりけし)縄文が施されていますが、乳房の表現はありません。





科学の本縄文中期中葉の、中部から西関東地方にかけての「腕の長い土偶」で、指が表現される場合には、ほぼ三本指と決まっています。

科学の本山梨県北杜市の諏訪原遺跡から出土した有孔鍔付土器に見事な土偶像が貼りついています。指をあえて三本に描くのは、人間であることの否定でしょう。

科学の本縄文中期まで、土偶文化圏のなかには、大切な厳守事項として強い規範がありました。それが「短い腕」です。しかし、その規範を逸脱することが、中部高地一帯ではゆるやかに許されたのです。

科学の本考古学は遺物が作られた「時」を知るのは得意ですが、使われなくなって捨てられた(葬られた)「時」を知るのは苦手なのです。






 


『縄文土偶ガイドブック 縄文土偶の世界』
 三上徹也
 新泉社
 


科学推理の醍醐味。
さまざまな情報をガイドしながら、画期的な説を提示したアンドリュー・パーカーの
→●本『眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く』
に似た感触が味わえる。

※ これは出版社側の落ち度だと思うのだけれど、本文に「コラム参照」とか言及があるのに、目次にコラムのページ数が載ってなくてコラムはどこだと探すのに苦労するんだぜ…。

 →『ミニ特集:縄文時代』



 →『ミニ特集:発掘された日本列島』
 →『ミニ特集:縄文時代 その1』
 →『ミニ特集:縄文時代 その2』
 →『ミニ特集:考古学の本 日本 編纂書』

 



科学な本のご紹介:  カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容

科学に佇む書斎
【2014/01/30】

大浦天主堂wikimediaキリシタン

科学の本『カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容』

隠れキリシタンの末裔さんが、鋭意カクレキリシタンの昔、今、そしてこれからを紹介してくれる、いわば当事者研究の粋。



科学の本ここでいうカクレキリシタンとは、江戸時代のキリシタン弾圧下で、キリシタン信仰を継承してきた人々のことではありません。
 明治に入ってキリシタン禁令の高札がおろされ、信仰の自由が認められたのちも、仏教の仏様も、神道の神々や民俗神も、そして先祖代々伝わるキリシタンの神々もそれこそ三位一体の神様のように拝み続けて今日に至っている人々のことです。

科学の本宣教師が布教に赴いたところでは多くの奇跡による信仰治療が施され、多数の人々が救われたという記録が残されています。
 たとえば聖水やロザリオ、十字架・十字の印や聖遺物、称名やオラショなどによって悪魔祓いが行われ、奇跡的に病が治り救われたというものですが、それは巫女や山伏や陰陽師などによって行われていた加持祈祷や呪術といった習俗と変わるところがありません。

科学の本カクレキリシタンは自分たちがキリシタンであることを隠すために、仏教徒や神道の氏子を装って_隠れている_のではなく、カクレキリシタンの神様を誰かに見せたりすれば災い(タタリ)があるかもしれないとか、拝んでも効き目がなくなることを恐れて_隠している_のです。

科学の本17世紀中頃から日本には一人の宣教師もいなくなりました。そのような状況下で、幕末まで230年以上にわたってその信仰は正しく伝承され、仏教や神道はキリシタン信仰を守るための隠れ蓑にすぎないとはっきり自覚できていたというようなことは、とうてい正しい歴史認識とは考えられません。

科学の本カクレキリシタンにとって大切なのは、先祖が伝えてきたものを、たとえ意味は理解できなくなってしまっても、それを絶やすことなく継承していくことなのです。

科学の本 迫害下の日本に潜入した宣教師たちの目的は、日本信徒の世話をするためでしたが、個人的には死を恐れずというよりは、むしろ殉教したくてそのような行為に及んだ確信犯といってもいいでしょう。
 なぜその当時の宣教師たちは殉教したがったのか。それは殉教者は100%天国への道が約束されていたからです。


死後に希望があると見做してしまうと、ヒトは…




大浦天主堂wikimediaキリシタン
1864年に撮影された大浦天主堂の写真
See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons
 


『カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容』
 宮崎賢太郎
 吉川弘文館
 








これはぜひ、東北における民間信仰の事例『隠し念仏』と読み合わせてみて欲しい。
→●本『隠し念仏』  門屋光昭 民俗宗教シリーズ 東京堂出版

 →『ミニ特集:宣教師の世界むかしむかし』

 →『ミニ特集:キリスト教』
 →『ミニ特集:聖書考古学』
 →『ミニ特集:多方面からキリスト教をさぐる本』
 →『ミニ特集:科学とキリスト教』
 



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