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科学な本のご紹介:  キャラ化する/される子どもたち 排除型社会における新たな人間像

科学に佇む書斎
【2009/06/30】



カードゲームWikimedia『キャラ化する/される子どもたち 排除型社会における新たな人間像』

科学の本昨今の若い人びとは、自分にとって不都合なものを目に触れる世界から追い出してしまい、認知の対象とすらしない傾向を強めているように見受けられます。

科学の本最近の中高生たちは、数人程度の小さなグループに分かれ、格や身分が違うグループとは、なるべく交友関係を避けようとします。いわゆるスクール・カーストです。

科学の本近年は、ストーリーの展開の巧みさで読ませるよりも、登場するキャラクターたちの造形描写で読者を惹きつける作品が多くなっているのです。
 エピソードの順番を入れ替えても作品に影響が出ないのは、「キャラクターに成長が無い」からです。物語がどう展開しようと、登場人物たちの性格は変わりません。
 二次作品が作られやすくなっているのもそのためでしょう。

科学の本90年代以降の学校では、「がんばれば必ず成功する」という生徒と、「何をやっても無駄だ」という生徒のあいだで、意欲の二極化も進んでいます。
 インセンティブ・デバイド(意欲の格差)と呼ばれるこの両極化の傾向は、「生まれもった素質によって人生は決まる」という感覚の広まりを示唆しているように思われます。

科学の本荷宮和子さんは、若い世代に共通に見受けられる価値観の特徴に、
  がんばらずに良い結果を出すほうがかっこいい
  何も考えずに行動するほうがかっこいい
  挫折しかけた道でさらに努力を続けるのは見苦しい
の三点があると指摘しています。
 これらに共通するのも、「生まれもった素質によって人生は決まる」という発想ではないでしょうか。

科学の本近年は、人格の陶冶(とうや)をめざす場としてではなく、教育という名のサービスを提供する場として、学校を捉える人びとも増えています。



 


『キャラ化する/される子どもたち 排除型社会における新たな人間像』
 土井隆義
 岩波ブックレット
 岩波書店
 


昭和の時代は、見知らぬ人とも共通感覚としての共有基盤があると見做していて、わからない言葉があれば尋ね返し、初見の相手にわからない物言いも避けるようにしていた。

それが、無機的な社会行動に報酬を与えるテレビゲームの登場と、「お互いの顔が見えない」パーソナルメディアの発達によって、生育上刷り込まれる社会規範感覚(お行儀、モラル、作法、自己有効感)が大幅に改変されてきてしまった。
失礼なことをしても無視してもペナルティがない。
ダイブ中に苦境に立たされても誰もあてにならない。
すべての世界は誰かの作り物。
パラメータには限りがあるのが常識、努力しても無駄。

デジタルメディア上で効率が良いシステムデザインは、リアルとは大違いの社会行動規範を成員に刷り込む。もちろん、目先に利益に追われ、消長の激しい業界であるデジタルメディアにおいては、異常な社会行動規範を刷り込まれた改変成員たちがリアルの社会にどのような影響をあたえるようになるのかなどという、遠大なる影響考察なんざは知ったことではないわけで、そのあたりは真剣に行政などの社会デザインに力を及ぼす者が厳しく制度設計を成すべきところなのだけれど、これがまた一切期待できないほどに質の低い人々を、我々は行政に送り込んでしまっている。

社会がここまで変質していくのは、われわれの、せいだ。

当該書『キャラ化する/される子どもたち』は刊行後、あちこちで参照された関係で、今では目新しい話ではないと感じられるようになっているかもしれません。
数年後、著者はさらに深化した社会状況を
→●本『つながりを煽られる子どもたち ネット依存といじめ問題を考える』
で描き出しています。併読オススメ。




 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 その1』
 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 その2』
 →『ミニ特集:日本の社会変化を語る本 その3』
 →『ミニ特集:社会を調べる本』

 →『ミニ特集:思春期 中学生 高校生 その1』
 →『ミニ特集:思春期 中学生 高校生 その2』

 



科学な本のご紹介:  自閉っ子、こういう風にできてます!

科学に佇む書斎
【2009/06/28】



『自閉っ子、こういう風にできてます!』

科学の本『自閉っ子、こういう風にできてます!』
 ニキリンコ&藤家寛子 花風社 (2004/11) 
科学の本『続 自閉っ子、こういう風にできてます! 自立のための身体づくり』
 岩永 竜一郎、ニキ リンコ、 藤家 寛子 (2008/12)
科学の本『続々 自閉っ子、こういう風にできてます! 自立のための環境づくり』
 岩永 竜一郎、藤家 寛子、 ニキ リンコ (2009/5)

まったくタイプが違うけれど、同じ「高機能自閉症」としてくくられてしまう当事者女子が、あれやこれやと日々の暮らしや勤務で遭遇するワンダーな苦労を語りまくる!
自分が閉じ込められているこの肉体なるものが、自我と呼ばれるこの語りが、いかに危うい機能の上に成り立っているかがよくわかるスゴ本。

ニキ リンコさんのサイト 『自閉連邦在地球領事館附属図書館』
ニキ リンコさんのツイッター @LingkoNIKI
藤家 寛子さんのツイッター @hirokofujiie






 
2014年にはこれが出ました





著者さんから ↓



以上、女子会。

アスペルガー症候群/自閉スペクトラム当事者の「男子」の語りなら、今や世界的に超有名な自閉症男子の東田直樹さん「自閉症の僕が跳びはねる理由」がオススメ。
→ 『自閉症の僕が跳びはねる理由』


 →『ミニ特集:アスペの民の本』
 →『ミニ特集:自閉症やアスペのいろいろを知る本』
 →『ミニ特集:自閉症やアスペのいろいろを知る本-2』

 



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ネットで拾えるのはちょびっとの情報だけ 
本にはもっともっとたくさんの情報がならんでるよ!
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